県農村整備課は、6月に閣議決定された第1次国土強靱化実施中期計画に関する2026年度執行分の事業予算として約3億円を要求する考えであることを明らかにした。事業予算は防災重点農業用ため池の防災・減災対策に充てる見通し。同課では26年度、新規地区8地区10カ所の防災重点農業用ため池を対象に測量設計を含む対策工事を計画している。
第1次国土強靱化実施中期計画の計画期間は26年度~30年度の5年間となり、計画期間内に実施すべき施策に全326施策を盛り込んでいる。このうち、推進が特に必要となる施策として全114施策234指標を位置付けており、5年間の事業規模総額はおおむね20兆円強程度としている。農林水産省では推進が特に必要となる施策の一つに防災重点農業用ため池の防災・減災対策などを位置付けている。
防災重点農業用ため池の防災・減災対策は、防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法に基づき、防災重点農業用ため池の劣化状況評価、豪雨・地震耐性評価を行い、防災対策を講じる優先度の高い防災重点農業用ため池の廃止工事を含む防災工事を集中的かつ計画的に実施するもの。国は対策実施例として◇堤体の補強および法面の保護◇ため池の洪水吐きの改修◇堤体の漏水量計測(劣化状況評価)◇ボーリングによる土質調査(地震耐性評価)◇洪水吐きの構造調査(豪雨耐性調査)-を挙げている。
県内には196カ所の防災重点農業用ため池があり、農村整備課は防災重点農業用ため池の防災工事を集中的かつ計画的に行うため、劣化状況や豪雨・地震耐性など詳細な評価を進めているところ。対策工事が必要な箇所数については詳細な評価を行っている段階であることから確定していないとした上で、24年度末時点においては約140カ所で対策工事の必要性を見込んでいる。なお、24年度末までに廃止工事を含んだ24カ所の対策工事が完了している。
26年度に実施予定の新規地区8地区10カ所は◇早川貯水池=桐生市新里町新川地内◇北金井ため池(上池)=太田市北金井町1296◇北金井ため池(中池)=太田市北金井町1299◇北金井ため池(後田池)=太田市北金井町558◇南新波ため池=高崎市南新波町地内◇山崎池(だるま池)=藤岡市藤岡(北山)地内◇菖蒲ヶ沢ため池=富岡市蚊沼96◇滝之入下溜(新沼)=太田市薮塚町3625-1◇保美ため池=藤岡市保美(小倉)地内◇新田貯水池=高山村中山4489-1-となり、全て防災重点農業用ため池に指定されている。
26年度~30年度の5年間の事業予算総額については現時点では未定とした上で、防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法の期間である30年度内に必要な対策を集中的かつ計画的に実施していく方針を示した。
















