県公共事業評価委員会（委員長・大澤和敏宇都宮大学教授）は２日、大規模事業再評価１件の継続を承認。県土整備部３件と農政部２件の中規模事業の事前報告を受けた。再評価は３・５・１０２号家富町堀込線中橋工区（足利市）で事業費を１０３億円増額し２１０億円で現計画での継続を決めた。２６年度から着手するのは３・４・１１号赤間々今中線外１路線清原町工区（日光市）、一般県道関谷上石上線四区町工区（那須塩原市・大田原市）、主要地方道西那須野那須線上厚崎工区（那須塩原市）、農地整備事業玉田地区（鹿沼市）と轟地区（日光市）。

　中橋の増額の内訳は工事費９１億円、用地補償費１２億円。工事費は労務資材単価の上昇が５３億円、中橋架設の杭長延伸に伴う設計条件の変更３１億円、アーチ橋移設に伴い大型クレーン２台の吊り上げ方式による工法変更が７億円。用地補償費は迂回路に踏切を設置したため物件移転などが増額の要因。

　事業者別内訳は渡良瀬川堤防かさ上げの国が７４億円、橋梁架設の県は１３３億円、取り付け道路整備の市が３億円。

　事業期間は２７年度までと変更なし。中橋の下部工、跨線橋の上下部工は発注済みで２５年度の渇水期から施工。２６年度以降は中橋上部、跨線橋ＪＲ両毛線直上部架設などを実施。用地補償は８１％の進ちょくで残る１件の物件補償などを進めていく。

　赤間々今中線清原町は、西が４６１号清原町交差点から東は今中森友線荊沢交差点まで１０５６ｍ。現道は片側歩道の幅員９・７ｍを拡幅し、両側歩道３ｍの一般部で１５ｍを確保。車道両側には自転車通行帯１・５ｍ、両側の歩道には電線類共同溝を整備する。

　沿道には今市中学校が立地し、近隣には今市第３小学校や日光市役所が所在。１日の通行量は歩行者１００人、自転車６０台。上下線のバス停２カ所にはバスベイを配置する計画。２６年度には電共詳細設計を実施する見通し。

　事業費は２８億円。内訳は測量設計２億円、用地１５億円、工事１１億円。事業期間が３２年度まで７年間。２６年度から測量設計と調査、２７年度には用地補償を進め、２８年度を目途に工事に着手する見通し。

　関谷上石上線四区町は、那須塩原市と大田原市境の未整備区間で延長が４２００ｍ。関谷上石上線のバイパスとして道路事業で整備する。

　標準幅員は前後の整備済み区間と整合を図り中央分離帯１・７５ｍを配置した４車線の２２・７５ｍ。幅員構成は車道３・２５ｍ×４車線の両側に路肩兼自転車通行帯１・５ｍ、歩道は両側２・５ｍを確保する。２６年度には調整池詳細設計を実施する見通し。

　事業費は２８億円、内訳が測量設計２億円、用地８億円、工事１８億円。事業期間は３５年度まで１０年間。２６年度から測量設計と調査、２７年度には用地補償に着手。工事は２９年度をめどに着手する見通し。

　西那須野那須線上厚崎は、那須塩原市北弥六～上厚崎間の未整備区間で延長が３０００ｍ。西那須野那須線のバイパスとして道路事業で整備する。

　標準幅員は前後の整備済み区間と整合を図り中央分離帯１・７５ｍを配置した４車線の２２・７５ｍ。幅員構成は車道３・２５ｍ×４車線の両側に路肩兼自転車通行帯１・５ｍ、歩道は両側２・５ｍを確保する。２６年度には調整池詳細設計を実施する見通し。

　事業費は２４億円、内訳が測量設計２億円、用地８億円、工事１４億円。事業期間は３５年度まで１０年間。２６年度から測量設計と調査、２７年度には用地補償に着手。工事は２９年度をめどに着手する見通し。

農政部は圃場玉田と轟

　農地整備事業（機構関連型）玉田地区は、鹿沼市東部の１級河川黒川右岸に開けた水田地帯。基盤整備は未実施。事業は農地の大区画化、圃場出荷に対応できる農道、ＩＣＴを活用した水管理システム、暗渠型排水路を計画。

　事業内容は区画整理工４１・６ｈａ（水田４０・９ｈａ、畑０・７ｈａ）、イチゴ団地のハウス化を実施する。基盤整備のうち整地工は４１・６ｈａで、うち１ｈａ区画４０％、５０㌃区画４９％を計画。

　用水路工は開水路６・６㎞。排水路工が開水路３・４㎞、暗渠型水路３・２㎞。道路工は支線農道６・７㎞で、うち１・６㎞を舗装する。

　事業費は１６億円。内訳が測量設計３０００万円、用地６０００万円、換地１億２０００万円、工事１３億９０００万円。事業期間は３４年度まで９年間。調査設計が２６～２７年度、工事２８～３３年度、３４年度は換地処分。

　農地整備事業（経営体育成型）轟地区は、日光市東部の１級河川鬼怒川と大谷川に挟まれた水田地帯。事業は農地の大区画化、大型機械の通行可能な農道の整備、ＩＣＴを活用した水管理システム、暗渠型排水路を計画。

　事業内容は区画整理工４３・１ｈａ（水田４１・３ｈａ、畑１・８ｈａ）、用排水路を分離した農業用用排水施設整備３００ｍを実施。基盤整備のうち整地工は４３・１ｈａで、うち１ｈａ区画４９％、５０㌃区画３９％を計画した。

　用水路工は開水路６・８㎞。排水路工が開水路６・４㎞、暗渠型水路１・３㎞。道路工は幹線農道４・２㎞、支線農道ほか２・７㎞。暗渠排水工４１・３ｈａを施工する。

　事業費は１６億７０００万円。内訳が測量設計４０００万円、用地２０００万円、換地１億１０００万円、工事１５億円。事業期間は３３年度まで８年間。調査設計が２６～２７年度、工事２８～３２年度、３３年度は換地処分。