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長野県土木施工管理技士会

伊那バイパスで技術研さん/各地から会員参集

2025/12/06 長野建設新聞

 県土木施工管理技士会(唐木和世会長)は4日、本年度2回目の現場技術研修会を伊那市内で開催した。県内各地から会員延べ45人が参集し、整備が進む国道153号伊那バイパスの工事現場を見学。先駆的なDXの取り組みを学んだ。

 同研修会は会員技術者の資質向上を目的に毎年開催している。冒頭、唐木会長は「本日は施工者の守屋建設、また県伊那建設事務所の皆さんにも参加してもらい、ICT施工について紹介していただく。自社で取り入れられる部分があれば積極的に取り入れていただきたい」とあいさつ。続いて伊那建の北村雄一整備課長が伊那バイパスを含め、リニア中央新幹線の効果を広く波及させる、上伊那管内8市町村を縦断する道路整備事業について説明した。

 その後、守屋建設(伊那市)が施工する現場で、同社が実施しているDXの取り組みを視察。説明に立った小松貴志常務取締役は、スマートフォンに取り付けることでRTK測位ができる「LRTK Phone」、iPhoneやiPadで手軽にARを体験できる建設業特化型ARアプリ「TerraceAR」、「Apple Vision Pro」を活用した品質・安全性向上の取り組みなどを紹介。「3次元モデルに文字情報も搭載することで、施工管理に役立てている。見せるだけではない活用もできる」「現地でしかできなかった打ち合わせも、バーチャル空間で行うことが可能になる」などと話した。

 質疑では参加者から数値の精度について質問が上がり、小松常務は「ARの場合、ピタリとはいかない。GNSSの誤差のように割り切って活用している」と伝えていた。

 終わりに伊那建の川上学所長は「守屋建設は国交省の研修会にも活用されるような先駆的な取り組みを行っている。技士会の皆さんには、こうして日々技術の研さんに励まれていることに感謝している」と労い、関川光敏副会長は「すごい技術を見学できた。より使いやすくなれば、現場も様変わりするだろう」と感想を述べた。

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