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2業務のプロポ公告/策定支援で事業化等検討/千葉市 マリン再構築基本計画

2025/12/09 日刊建設タイムズ

 千葉市は、千葉マリンスタジアム再構築基本計画策定支援に関する検討業務3件のうち、技術的検討業務委託と事業化検討業務委託の公募型プロポーザルを5日に公告した。委託限度額は、技術的検討業務が1億5700万円、事業化検討業務が5600万円。履行期間は、契約締結日の翌日から2027年3月26日まで。「ベース機能」と「拡張機能」が一体となった新たなスタジアムについて、屋外型および全天候型の比較を起点に、技術的検討業務、事業化検討業務および交通計画検討業務を実施し、事業実施の判断および基本計画の策定につなげる。9月補正予算では、検討業務3件に、26年度を期間とする限度額2億6800万円の債務負担行為を設定した。このうち、交通計画検討業務の限度額は5500万円。

 基本計画には、スタジアムの配置・動線・平面・断面計画、必要な機能・性能、周辺インフラ整備、事業費、事業スキーム、事業スケジュールなどを盛り込む。

 月内に事業協力者の公募を開始し、26年1月から屋外型と全天候型の概略設計をまとめ、初期・運営コストなどを比較検討する。民間資金調達の検討などを経て、3月に屋外型または全天候型のスタジアム形式と事業協力者を決定する運び。

 4月から、決定した形式に基づく基本計画を検討し、27年3月までに事業実施の判断を行う。33年までに事業者選定、基本設計、実施設計、建設工事を進め、34年の開業を目指す。

 技術的検討の業務内容は▽1次検討段階=千葉ロッテマリーンズなどへの意見聴取、屋外型と全天候型の比較用モデルプランの作成、設計および建設工事に係る概算費用の算出、施設開業後に発生する大規模修繕を含む修繕費の算出、設計・建設期間の概略検討▽2次検討段階=整備方針の作成、各種法令の整理、スタジアム全体の土地利用・配置計画の検討、収容人数・座席数の検討、導入する機能・仕様の整理、屋根の範囲・構造など複数パターンの比較検討、平面図・断面図・立面図・諸室リストの作成、動線計画・構造計画・設備計画・防災計画・避難計画の検討、周遊デッキおよび周辺施設への接続デッキの検討、交通動線・駐車場計画の検討、各種ライフラインの引き込み計画の検討、安全性など各種影響のシミュレーションの実施、外観・内観パースの作成、建設・修繕コストの精査、設計・建設期間の検討――など。

 事業化検討の業務内容は▽1次検討段階=千葉ロッテマリーンズなどへの意見聴取、概略的な収支予測・シミュレーションの実施、開業までのスケジュール整理、命名権導入の検討、市民への情報発信方法の検討▽2次検討段階=役割分担と各施設の権原の整理、費用負担方法の検討、導入可能な財政的支援措置の検証、スタジアムの収支予測、整備・管理運営手法の選定――など。

 プロポーザルの参加資格要件は、国内プロスポーツチームの本拠地となるスタジアム・アリーナの新設において、15年度から参加申し込みまでに、同種業務の履行実績を有することなど。

 今後は、12日に募集要項などに関する質問書と参加申込書などの提出を締め切り、17日に回答するとともに、参加資格確認結果を通知。24日まで企画提案書などの提出を求める。技術的検討業務は26年1月13日、事業化検討業務は14日にヒアリングを実施し、同月中旬に優先交渉権者を決定。同月下旬までの契約締結を目指す。

 基本構想では、幕張メッセ駐車場の一部約11haを建設予定地とし、野球場・イベント機能・防災機能などベース機能に加え、商業・エンターテインメント機能など民間事業者の投資により拡張機能を整備することで、365日楽しめるスタジアムを目指すこととした。再構築の概算事業費は約650億円。

 現スタジアムは、美浜区美浜1に所在。1990年の開設以来35年が経過し、老朽化への対応や機能面の更新といった課題が生じていることから、再構築を検討している。

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