河内町が進める新庁舎建設整備事業において、基本設計の概要が明らかになった。楠山・相澤設計JVが「みんなの大屋根庁舎」をコンセプトに、周辺環境と呼応する配置計画を立案。施設規模はS造またはRC造3階建て、延べ床面積2900㎡程度。1・2mのかさ上げなどの浸水対策を講じる。順調なら2026年度9月補正予算に実施設計費を計上し、27年度にかけて設計をまとめる。30年度の供用開始を目標に、28年度より2カ年で本体工事を実施する計画。
新庁舎は、現庁舎(源清田1183)敷地内への整備を計画。不足面積を補うため、敷地北西側の民有地を取得し、敷地面積約1万2300㎡を確保する。施設規模がS造またはRC造3階建て、延べ床面積2900㎡程度。コンセプトとして掲げたのが「みんなの大屋根庁舎」。シンボリックな反り屋根は深い軒天空間を生み出し、空調効率を向上する狙いがある。
配置計画では拡張部分を含む西側に新庁舎を配置。現庁舎側は駐車場およびバスロータリーとして活用。庁舎南側に「かわち丸広場」を、北側には「穂平テラス」を設ける想定だ。災害対策では1階床レベルを1・2mかさ上げし、外周部にコンクリートを0・6m立ち上げることで浸水被害を防ぐ計画とした。
1階は執務エリアのほか、町民ラウンジを配置。ラウンジ上部には吹き抜けを設け、各階のつながりを演出する。2階には執務スペース、共創スペース、展示ギャラリーに加え、多目的ルームを整備する。議場、ギャラリー、ホワイエは3階に配置。北側開口部より展望を楽しめる展望ロビーとしての活用を見込む。
外構関連では、駐車場(176台)や出入り口付近のバスロータリーを計画。新庁舎への動線上には雨除けのアプローチルーフを備え、第2分庁舎との間に歩行者用通路を設ける。庁舎西側についても高基礎とした上で設備機器を配置。広場にはマンホールトイレやかまどベンチを配置し、防災拠点機能を確保する。
環境配慮技術によるライフサイクルコストの低減にも取り組む。タスクアンビエント照明や高効率・長寿命な設備機器の採用、自然エネルギー(自然通風、地下熱、井戸水・雨水、自然採光)の利用などでZEB Ready以上の性能を有する施設を目指す。
整備スケジュールに関しては8月31日までを履行期間に基本設計を策定。順調なら9月補正予算に実施設計委託費を計上し、27年度にかけて設計をまとめる。28年度に本体工事に着手。2カ年で施工を進め、30年度の供用開始後は現庁舎を解体し、跡地に駐車場や広場などの整備を進めていく。概算事業費には約36億6000万円を試算している。

















