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茨城県五霞町

「ひとつ屋根の拠点」提案/佐藤総合計画に優先交渉権/五霞町複合庁舎の設計プロポ

2025/12/11 日本工業経済新聞(茨城版)

 五霞町は、複合庁舎建設の基本・実施設計業務の公募型プロポーザルの結果、佐藤総合計画(東京都墨田区)を優先交渉権者に特定した。同社は「ひとつ屋根の拠点」として、人が集まり交流が生まれる、まちの中心拠点となる庁舎を提案。活動、町民の拠り所となる「ごかリビング」や、サービス機能を集約した「オープンオフィスフロア」、まちの活動を引き込む3つの「ひろば」を設ける。


 新庁舎は、中央公民館敷地の隣接地(小福田147-1ほか)の敷地約1万5000㎡に建設。複合庁舎が3690㎡、付属建屋1115㎡程度。予定工事費に41億1180万円を見込む。

 来週中にも契約を締結し、履行期間は2027年3月17日まで。建設工事については、27年7月ごろから着手し、工期には27カ月を想定。29年10月ごろの供用開始を目指す。

 優先交渉権者となった同社の提案では、行政と町民活動が融合し、「五霞らしさ」を発信する「ひとつ屋根の拠点」の創出を計画する。

 1階には町民の拠り所となる「ごかリビング」を設置。活動室から執務機能、職員ゾーンへと連続する配置で効率的なサービス提供を可能にするほか、研修や調理、創作、図書機能を待合空間と一体化したラウンジにまとめ、多様な交流を促す。東西エントランスによる通り抜け動線は町民活動への参加を後押しし、災害時には活動支援エリアとしても機能する。

 2階は執務空間や事務局を集約したオープンオフィスフロアとし、将来の可変性を確保するとともに、職員間のコミュニケーションを活性化し、分かりやすい行政サービスを実現する。

 さらに敷地北側に「えんがわひろば」「イベントひろば」「キッズひろば」の3つの広場を設け、日常的に人が集まる空間を提供する考え。

 構造面では、執務エリアをRC造でコンパクトにまとめ、屋根をS造とすることで軽量化と開放感を両立。施工は大型重機を用いない方法でコスト縮減と工期短縮を図る。屋根材には遮熱性や雨音低減に優れた素材を採用し、省エネルギー技術を導入してZEB化を推進。補助金申請も支援する。

 また、設計を進めるにあたって、町民職員とのワークショップをそれぞれ開催し、意見を反映させる考え。

 なお、プロポーザルには、同社を含み5者が参加。次点の交渉権者は、桂設計茨城事務所(水戸市)だった。

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