県中北建設事務所は、南アルプス市の御手洗川で2基の砂防堰堤整備を計画している。今後は予算要望を行い、2026年度には測量業務や詳細設計などを進める予定。27年度は用地測量や整備に必要な用地の取得などに移る。現地の測量業務や用地の取得が順調に進めば、28年度ごろから砂防堰堤工事に着手する見通し。
南アルプス市上宮地地内を流れる御手洗川において、砂防堰堤を2基新設する計画。
河川の現状として、対象箇所に位置する渓流は一級河川の滝沢川に流下しており、土砂災害警戒区域に指定されている。渓床勾配も急勾配にあり、対象箇所は荒廃が進んでおり不安定な土砂や転石が堆積した状況にある。
下流域には保全対象となる人家109戸が点在するほか、要配慮者利用施設が位置している。
昨今の異常気象の影響によって発生する大型台風や集中豪雨の際には、対象箇所から土石流が発生する恐れがあり、甚大な被害が懸念される。そのため、早期の対策工事が急がれる。
現段階の整備内容としては、土石流被害を防止するための砂防堰堤を2基整備する予定。
2箇所の砂防堰堤の概要は、上流部分がH9・5m、L33m。下流部分がH9m、L23mを現段階で想定する。
流出する土砂量や流域の規模、周囲の地形や地質などを検討した結果、最も有利な対策として、2基の砂防堰堤を整備して対応する方向としている。
今後の動きとして必要な予算を要望した後、26年度には現地の測量や詳細設計、地質調査を予定する。27年度には用地測量や用地調査、用地取得や補償を進める。
測量や調査業務が順調に進めば、28年度ごろには砂防堰堤工事に着手する予定。完成見込みとしては現段階で35年度を見込んでいる。
なお、御手洗川の砂防堰堤工事に要する事業費については、約4億円を想定している。
















