県は11月11日、土地改良法の規定により、香取市の一部を受益地域とする県営与倉・高野地区土地改良事業(区画整理)計画を決定した。ほ場の区画整理、道路・用排水路の整備により、担い手となる「農事組合法人よくら」など中心経営体の効率的かつ安定的な経営を図る。予定工期は2025年度から31年度まで。純工事費は8億8900万円で、総事業費11億8400万円を見込んでいる。
事業費の内訳は、整地工2億500万円、道路工4400万円、用排水路工1億3000万円、揚水機場7300万円、排水路工3億2900万円、暗渠排水工1億800万円、測量試験費1億1300万円、用地買収補償費6400万円、換地費6200万円、工事雑費2800万円、地方事務費2800万円。
土地利用計画は、水田37・4ha、普通畑2・7ha、道水路など6・4ha。
高齢化や後継者不足などが深刻化する中で、次代に地区を引き継げるよう、効率が良く収益性の高い農業を目指して農地の集積・集約化を進める。
工事内容は▽整地40・1ha▽支線道路4591m(有効幅員5m)▽耕作道路109m(有効幅員2・5m)▽用水路4309m(塩ビ管φ100~250)▽1号揚水機(水中ポンプ2台、φ100)▽2号揚水機(水中ポンプ2台、φ150)▽排水路護岸4256m(コンクリート柵渠、600H×600B~900H×3000B)▽暗渠排水40・1ha(合成樹脂管φ50)――など。
整備に当たっては、幹線排水路における堰板の設置による堆積物および水域の確保、湧水池の保全、湧水池と排水路との接続確保、貯水池における湿地帯の創出などに配慮する。
県営与倉・高野地区は、香取市与倉および牧野高野地先に所在。事業面積は46・5ha。
現況の土地利用状況は、水田40・3ha、薪炭林1・6ha、その他4・6ha。
利根川水系香西川上流に展開する低平地水田地帯で、山林に囲まれた中に農地が展開し、井戸、湧き水、両総用水などを利用して稲作を行っているが、区画はおおむね10aの未整備地区となっている。
耕作道路が小型車両のみ通行可能な狭小道路で、大型農業機械の使用が困難であるなど、現状のままでは集積が進まず、農地の維持が困難になっている。また、地区内の水路は土水路で用排兼用水路もあり、水田の汎用化を図るための用排分離が求められている。
用水状況は、大きく両総用水(牧野地先)と井戸・湧き水(与倉地先)に区分されている。牧野地先では、管路・開水路など基幹施設により、与倉地先ではポンプから直接または土水路を通じて受益農地をかんがいしているが、各施設とも老朽化が著しい状況にある。
道路概況は、地区内および外周を市道が東西南北に走っており、東部には県道佐原八日市場線が南北に縦走している。地区内の農道は幅員2m程度と狭小で、農耕車の通行に支障を来している。
















