第2回県立病院あり方検討有識者会議(委員長・小沼一郎県医師会長)は15日夜、3病棟の統合先に国立病院機構NHO栃木医療センター(宇都宮市中戸祭1丁目)が望ましいとし、再整備の候補地にはとちぎリハビリテーションセンター(宇都宮市駒生町3337―1)が所在する健康の森の優位性でおおむね一致した。専門医療に特化した県立3病院に内科的診療を付加し、高齢患者の合併症など医療ニーズに対応。健康の森は市が整備を進めている東北自動車道大谷スマートICにも至近で広域的救急搬送にも効果が高いとした。
総合病院化の進め方として有識者会議は①3病院を個々に総合化②県立病院のみの統合による総合化③県立病院以外の統合による総合化―3点を提起。委員はがんやリハビリ、精神医療に特化する3病院だけでは需要が増加している併存症や高齢者の糖尿病など身体合併症に対応ができず、内科医などの医師を多く確保することが困難と結論付けた。
岡本台病院は精神医療の特殊性から、引き続き独立させ新病院に隣接して設置させるべきとの意見が大勢を占めた。高齢化に伴い身体合併症の精神救急患者が増加。県は岡本台について災害拠点精神科病院の指定を検討している。
現在、3病院ごとに設置している地方行政独立法人の一本化について委員から異論は聞かれなかった。
他病院との統合は民間病院の経営を圧迫せず、地域的に同一医療圏を形成しているNHO栃木医療センターに白羽の矢が立った。県では今後、同センターなどと調整し実現の可能性を検討していく見通し。
新病院の候補地に挙がったリハビリテーションセンターのある健康の森は、敷地面積20万8240平方m(県持ち分約44%)と3病院の中で最も広大。病棟は24年が経過しているが、がんセンター、岡本台病院に比べ新しく耐用年数39年以内。
健康の森は主要地方道宇都宮今市線に近接。市街地にも至便な位置にあるほか、東側には宇都宮環状道路、西側は東北道が通り、市が整備中の大谷地区スマートICのアクセス路が計画されている。
県は統合後の病床数には300~600床を想定。3病院の専門性を残しつつ、県立病院との位置づけから宇都宮市内に限定しない広域的な2次救急医療や災害拠点機能、新たな感染症にも対応可能な総合病院化に向け有識者会議を立ち上げた。2~3月にも開く第3回会議で今後のあり方と目指すべき方向性を整理。結論を導く予定。
















