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茨城県かすみがうら市

26年度以降具体化へ/やまゆり館図書機能拡充

2025/12/19 日本工業経済新聞(茨城版)

 かすみがうら市は2026年度以降、やまゆり館への図書・学習機能導入を具体化していく。本年度は中心市街地における公共施設の在り方に関する検討委員会において将来的な施設機能の複合化・多機能化を含めて協議。委員会で方向性を固め、早ければ26年度にも設計等に着手したい考え。複合化・多機能化は図書機能導入を第1段階とし、36年度以降の第2段階では、やまゆり館北側への新施設および親水公園の整備などを想定している。


 複合化・多機能化の対象が、下稲吉コミュニティセンター(稲吉3-15-67)、やまゆり館(下稲吉2423-9)、大塚ふれあいセンター(下稲吉1868-22)の3施設。15日にやまゆり館にて開催した第4回委員会では、ワークショップおよび住民説明会の結果を報告。検討委員会の方向性(案)をまとめた。

 案では2段階に分けて複合化・多機能化を実施。第1段階ではやまゆり館へ図書・学習機能を導入し、多世代交流の場として整備する。その後、36年度以降にやまゆり館北側へ新施設を建設。児童館およびコミュニティー機能の集約を図る。併せて調整池を活用し、親水公園を設ける計画だ。

 図書・学習機能の整備は同館の健康づくりコーナーを活用して行い、健康増進機能については、かすみがうらウエルネスプラザ(宍倉5462)へ集約する方針。図書やカフェを中心とし、多世代が交流する場としての整備を目指す。やまゆり館の施設概要がRC造平屋建て、床面積1024・5㎡、2008年度築。

 事業手法は今後検討するとしているが、官民連携手法なども視野に入れている。早ければ26年度より設計委託等、計画の具体化に向けて動き出す考え。財源として新しい地方経済・生活環境創生交付金の活用を想定している。

 36年度以降に整備を計画している新施設は、やまゆり館北側市有地、A2094・41㎡を整備地とする。コミュニティー機能および児童館機能を備え、下稲吉コミュニティセンター・大塚ふれあいセンターを集約。機能拡充後のやまゆり館と合わせ、2棟で中心市街地における複合施設としての役割を担う。さらに、同館北側の調整池周辺(A5201・32㎡)を活用し、親水公園を整備する計画。

 高校生および大学生を対象に実施したワークショップの結果を踏まえ、複合施設のコンセプト案を「つながり、めぐる、まちのリビング~まちと共に育つ知の拠点(仮)」とした。機能イメージとしては図書機能、ユース活動機能、多世代交流機能および子育て支援機能が挙がっている。

 また、10月に開催した住民説明会の結果について事務局から報告があった。下稲吉コミュニティセンターについて使用継続を訴える声があり、当面は修繕箇所への対応を続けていくとの説明。新施設の整備地に関し、湿地であることを憂慮する意見に対しては、現施設と同様に地盤改良工事を実施することで建設可能との見通しを示している。

 委員会では26年3月ごろにも第5回会議を開催し、施設整備の方向性に関する答申案を策定する予定。その後、市長への答申を受けて、市として公共施設再編に向けた取り組みを進めていく。

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