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県公共事業評価委、寺内、上田原、松田新田、広谷地工区が始動、黒羽BP60億円を了承

2025/12/19 栃木建設新聞

 県公共事業評価委員会(委員長・大澤和敏宇都宮大学教授)は18日、県土整備部大規模事業事前評価1件の着手を承認したほか、中規模事業4件の事前報告を受けた。承認案件は国道461号黒羽バイパス1500m(優先整備区間、大田原市)で、事業費60億円のうち橋梁工事230mに35億円を投入する。このほか26年度から着手するのは一般県道物井寺内線寺内工区(真岡市)、主要地方道藤原宇都宮線上田原工区と松田新田工区(宇都宮市)、主要地方道那須高原線広谷地工区(那須町)。

 黒羽バイパスは大田原市南金丸の現道から南に分岐し1級河川那珂川を渡河(仮称・新那珂橋)。八塩の主要地方道那須黒羽茂木線に合流する延長1500m。将来は下高橋付近の現道まで延べ2400mを計画している。

 バイパスの幅員は12m。車道3・25m×2車線の両側に路肩兼自転車通行帯1・5m、歩道を北側2・5m確保する。

 主要交差点は東側から現道分岐、国道294号、左岸側の那須黒羽茂木線で、幅員3・25mの付加車線を確保する計画。那珂川の段丘面の高低差を利用して盛り土構造では市道3カ所をオーバーパスする立体交差を予定。

 黒羽市街地の461号は道路幅が狭く屈曲。那珂川を渡河する那珂橋は1933年の架設で老朽化。荷重不足に加え、大規模災害による寸断などが懸念。バイパス整備後、那珂橋を含む旧道は市に移管される。県は橋梁の耐震補強や修繕対策を行い、延命化を実施している。

 事業費の内訳は測量設計3億円、用地補償8億円、工事49億円。事業期間は35年度まで10年間。測量設計に5カ年、用地補償が27年度から6カ年、工事は29年度をめどに着手する見通し。26年度には新那珂橋の詳細設計や用地測量・物件調査などを進める予定。

 物井寺内線寺内工区は真岡市横田から寺内の国道294号と408号真岡南バイパスが合流するT字交差点に東側から合流し十字路化する。現道は4m程度の狭あい区間で北側に1700mのバイパスを整備。真岡鐵道と1級河川五行川には橋梁を架設し、地域の一体性を確保する。

 バイパスの幅員は14・5m。幅員構成は車道3・25m×2車線の両側に路肩兼自転車通行帯1・5m、歩道は両側に2・5m確保。

 事業費は29億円で、内訳は測量設計3億円、用地補償2億円、工事費24億円。2カ所の橋梁工事費には12億円を試算した。

 事業期間は35年度まで10年間。測量設計に3カ年、用地補償が27年度から6カ年、工事は27年度から8カ年を見込んだ。

 26年度には橋梁(仮称・新高畦橋)と跨線橋の詳細設計、用地測量・物件調査に着手する計画。交差点を構成する408号真岡南バイパスは来春の4車線供用を予定している。

 藤原宇都宮線上田原工区3100mは主要地方道上横倉下岡本線交差点以北、金田町の現道合流までの4車線化事業。用地は暫定2車線整備に合わせ4車線分を確保してきた。暫定2車線で整備中の上田原北工区の供用後は交通需要の増加が見込まれ、引き続き4車線に拡幅し渋滞を緩和して安全で円滑な通行を確保する。

 幅員は24・5mで東側に2車線分を整備する。幅員構成は3・25m×4車線の両側に路肩兼自転車通行帯1・5m、歩道は両側に3・5m、中央分離帯が1・5m。

 事業費は25億円。事業期間が10年間。測量設計と用地補償が各1億円、工事費が18億円。測量設計に3カ年、用地は調整池分で27年度から3カ年、工事は28年度をめどに着手する見通し。26年度は道路詳細設計や用地測量に着手する予定。

 藤原宇都宮線松田新田工区は、今里町の一般県道上河内スマートインター線交差点から松田新田の未整備区間1200mの両側に歩道を整備する交安事業。

 同区間では過去10年間に6件の交通事故が発生。上河内中央小学校や上河内中学校に通学する児童生徒の安全確保を目的に現道7mを14・5mに拡幅改良する。

 幅員構成は車道3・25m×2車線の両側に路肩兼自転車通行帯1・5m、歩道は2・5m。

 事業費は20億円。事業期間が10年間。測量設計に1億円、用地補償10億円、工事9億円。26年度は用地測量・物件調査に着手する予定。測量設計に3カ年、用地補償が27年度から7カ年、工事は29年度をめどに着手する予定。

 那須高原線広谷地工区は、主要地方道矢板那須線、那須西郷線が交差する広谷地交差点前後3600mを拡幅改良。区間は渋滞の激しい那須サファリパーク入口付近から白沢橋付近まで。

 道の駅「友愛の森」など観光施設が集積する広谷地交差点部に歩道を整備し電線共同溝を埋設。現道11・6mを16・5mに拡幅。幅員構成は車道3・25m×2車線の両側に路肩兼自転車通行帯2m、歩道は両側に3mを確保する。

 広谷地交差点南北の店舗などが連続する区間は、路肩部を拡幅し車道3・25m×2車線の両側2・5mを確保。右左折により店舗に入る車両が停止し渋滞を助長。路肩を拡幅してすり抜けられるよう余裕幅を持たせる。

 事業費は20億円。事業期間は10年間。測量設計2億円、用地補償6億円、工事12億円を試算。測量設計に3カ年、用地補償は27年度から6カ年、工事には29年度をめどに着手する見通し。26年度には電線共同溝詳細設計に着手する予定。

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