埼玉県建設業協会(小川貢三郎会長)は12日、熊谷市久保島で工事が進む「北部家畜保健衛生所新築工事」の現場で、熊谷工業高校の生徒を対象とした見学会を開催した。参加した建築科2年生37人は、発注者や受注者から説明を聞いた後、実際に現場を見学して、現在の建設現場に対する理解を深めた。
同工事は県営繕・公園事務所の発注で、施工は会員企業の小川工業、時田工務店らが担当している。主催者である埼建協の北村学業務部長は、発注者や施工者に見学会への協力に感謝の言葉を述べた後、見学会の目的を説明するとともに、建設業の仕事について「建設業は、道路・上下水道やビル・住宅など人々の暮らしに欠かせない施設を創る仕事。自分が手掛けたものが目に見える形で長く残り、多くの人々に利用され感謝される、大変誇らしい仕事」と説明。建設業の果たす役割については「地域を守るという大切な役割も持っている。今年は埼玉県内の八潮市で道路陥没事故が起きたが、この時、施設を復旧して、暮らしが早く元通りになるよう最前線で取り組んだのは、われわれ建設業の仲間」と強調。そして安心・安全な暮らしを守る建設業の存在価値は、一層高まっているとして、見学会を契機に建設業に興味を持ち、卒業後の進路を考える際、選択肢の一つとして検討してほしいと期待した。
見学に先立ち、発注者から事業概要、設計者から設計概要、受注者から工事概要についてそれぞれ説明が行われた。建物は、本館棟、野生動物検査棟、防疫資材倉庫棟の3棟構成で、本館棟は県産木材を積極的に活用して、温もりが感じられる施設となる。来年2月の完成を目指し、現在は建築、設備、外構工事が進められている。総工費は23億円。説明の中では、コンピュータの中で3Dの建物をつくるBIMや、何もない空間に配管や壁が見えるAR技術などを紹介。デジタル技術など建設DXを活用した現場の状況についても理解を深めた。
現場見学は2班体制で実施した。現場では、最新の建設機械やドローンの活用、また、週休2日制が実施されているなど、作業する人に負担が少なく、働きやすい環境になっていることを知った。
















