県砂防水資源課は、12月補正予算の砂防施設づくり事業費に12億8000万円を追加。砂防、急傾斜地崩壊対策、砂防メンテナンス、総合流域防災、情報基盤の5事業を推進。砂防堰堤は13カ所に3億6000万円。新規は唐沢1号沢(宇都宮市古賀志)、鍛冶谷沢(鹿沼市深程)、地獄茶屋沢(日光市中宮祠)で測量費を配分。急傾斜崩壊対策が6カ所で8500万円。新規に滝見通りⅠ―A(日光市藤原)に着手する。砂防メンテナンスは9カ所に2億8400万円。総合流域防災の基礎調査は4億9600万円で3巡目調査の抽出、土砂洪水氾濫流域調査が2500万円。情報基盤に3000万円を充てる。
砂防堰堤新規の唐沢1号沢が1000万円で路線測量、鍛冶谷沢と地獄茶屋沢は2000万円で3次元による測量を実施する。
3カ所とも不安定土砂が堆積する土石流危険渓流。このうち地獄茶屋沢は1級河川地獄川支渓地獄茶屋沢に堰堤1基を計画。地獄茶屋沢が合流する地獄川は、1級河川湯川と合流し中禅寺湖に流れ込む。
湯川は地獄川と合流する手前で名瀑竜頭の滝を形成。竜頭の滝と中禅寺湖は奥日光を代表する観光名所の一つ。
保全対象施設は湯川と地獄川を合わせて延長940m。公共施設は国道120号が800mと水産技術研究所。人家が4戸。
工事は10カ所。事業費は下小網中沢(日光市川治温泉)に5000万円、新屋敷3号沢(那須烏山市大木須)に7500万円、木下沢(那須町蓑沢)には2500万円を配分。このほか那須塩原市塩原の門前向沢と台沢、西宮2号沢(足利市)も工事の進ちょくを図る。
下小網中沢堰堤は、堤高11m、堤長38mで中央に鋼製スリットの流木止めを配し水通し幅が3mの透過型。今回の補正でスリット部分を発注し完了する計画。
急傾斜地崩壊対策の新規は、滝見通りⅠ―Aに2000万円。3次元による路線測量を実施する。事業箇所は鬼怒川温泉街を南北に縦断する国道121号沿いで、南側では先行して仲町一区Ⅰ―Aの土砂災害対策が始まっている。
工事は神谷(足利市小俣町)に3800万円を配分した。
総合流域防災の基礎調査に4億9600万円、土砂洪水氾濫流域調査には2500万円。基礎調査は3巡目の要対策箇所を抽出する。全県域が対象で業務は土木事務所の所管エリアをベースに本庁発注を予定。
2巡目調査では土砂災害警戒区域9710カ所を抽出。3巡目は約2万カ所になる見通しで、これまでに約9000カ所を抽出した。基礎調査では併行して2巡目で抽出した9710カ所の現況確認と経過観察を概ね5年に一度実施する。
土砂洪水氾濫流域調査は、全県を対象に土木事務所単位で順次、進めている。24年度当初で日光と栃木、24年度補正が宇都宮、真岡、矢板の3事務所。25年度には大田原土木事務所管内を調査した。補正では鹿沼土木事務所管内を調査する。26年度以降は烏山と安足土木事務所。
砂防メンテナンスは9カ所で2億8400万円。既設砂防施設の老朽化対策で中才(宇都宮市)の急傾斜地崩壊防止施設として法面工の修繕。堰堤群では七久保沢ほか(日光市)の七久保沢砂防堰堤などの改築、蛇尾川ほか(那須塩原市)の蛇尾川蟇沼2号などの改築、余笹川ほか(那須町)の遅山川ダムなどの改築に向けた調査や対策工事を進める。
工事は堰堤を補強するためコンクリート増厚による腹付け、水流で摩耗した天端部の補修など。
情報基盤はシステム改修に3000万円を配分した。
















