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栃木県那須塩原市

那須塩原市の水道事業、27年度から5年で68億円、北那須受水整備、高林再編を計画、関谷ポンプ場、高林

2025/12/23 栃木建設新聞

 那須塩原市は、2027~31年度の水道事業の施設整備に約68億円の投資を計画している。施設能力の最適化や統廃合を図る改良整備、耐震化、ポンプなど設備整備を実施。改良の主要事業は北那須水道受水施設整備、高林地区の配水施設再編成を計画。耐震化は鳥野目など基幹浄水場の更新や重要管路を進めていく。北那須水道受水施設整備ではポンプ場の新設や増設を予定。配水施設再編成は高林配水池を新設するとともに、東那須野低区配水池の増設や耐震化を計画。改良に伴う配水管整備や布設替えも実施する。

 北那須水道受水施設整備事業は関谷、金沢、宇都野地区の水源の水質が不安定なため、各地区の水源施設を廃止。県営北那須水道(県水)を活用するエリアを関谷、金沢、宇都野地区に拡大し、安心安全な水道水の供給体制を強化する。

 県水に切り替えるため上流の関谷地区はポンプ場を新設。30年度からの整備を見据え、設置場所などを今後検討する。

 配水管は北那須配水池から県道矢板那須線に沿って布設されたφ150の管を増径。延長約2㎞をφ250に布設替えする。31年度からの布設替えを想定している。

 金沢、宇都野地区の県水切り替えでは大貫配水池にポンプ場を増設。整備時期は27年度からを想定。

 宇都野は簡易水道事業で整備された老朽石綿管の布設替えと配水管の一部新設を実施。延長は約3・5㎞(φ75~150)。27年度からの整備を計画している。

 廃止する既存施設は関谷水源・配水池、金沢下配水池・下組水源、宇都野配水池、箒川水源を予定している。

 北那須水道受水施設整備の総事業費(概算)は約18億3000万円。内訳はポンプ場新設・増設約8億5000万円、配水管整備約9億8000万円。このうち27~31年度はポンプ場の新設・増設に約6億9000万円、配水管整備に約5億円を試算している。

 高林地区の配水施設は、将来の水需要を踏まえ適正規模に再編。高林第1・第3配水池、東那須野高区配水池は容量が不足しており、第1配水池付近に高林配水池を新設。配水池機能を集約する。また、鴫内山配水池は配水区域を矢板那須線付近まで拡大する。

 新設する配水池は容量1500㌧で、28年度からの整備を目指す。配水池集約に伴い、既存の高林第1配水池を廃止。高林第2・第3配水池と東那須野高区配水池の減圧槽化を検討する。

 東那須野低区配水池は、那須塩原駅周辺整備の進展を見据えた増設や耐震化を計画。現在の容量は1500㌧。容量を600㌧増やし2100㌧とすることを検討中。耐震化については今後、補強や更新といった手法を検討していく。

 配水施設再編成の総事業費(概算)は約11億2000万円。内訳は配水池の新設・増設約7億4000万円、配水管整備約3億8000万円。27~31年度は配水池新設・増設(耐震化含まず)に約3億9000万円、配水管整備に約2億7000万円を見込んでいる。

 耐震化事業は基幹施設の鳥野目、千本松の各浄水場更新や黒磯、西那須野地区で病院、避難所などが集中するエリアの配水管布設替えを計画。鳥野目浄水場は現在の更新工事を27年度に完了させる予定。鳥野目浄水場の総事業費は約71億4000万円。

 黒磯地区の管路耐震化は総事業費約16億7000万円を試算。このうち27~31年度は約5億3000万円を投じて延長約3㎞を布設替えする計画。工事は病院に接続する管路を優先する。

 千本松浄水場の更新は総事業費約32億5000万円を試算。現時点では28年度耐震診断、29年度基本設計、30年度に詳細設計、31年度からの工事を想定。今後、整備方針などを検討し、計画を詰めていく見通し。

 西那須野地区の管路耐震化は総事業費約28億円。27~31年度は約7億8000万円を充て延長約4㎞の布設替えを見込む。

 管路耐震化は26年度も実施を予定。耐震化などの管路整備は27~31年度に毎年5億2000万円~5億4000万円を想定。

 このほか、浄水施設のポンプ設備、濁度計、計装盤などの設備整備に毎年度2億1000万円の事業費配分を計画している。

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