鹿沼市教育委員会は、西小学校と加園小学校の統合再編方針をまとめた。既存の西小校舎を長寿命化改修し、プールを撤去。校地内に東大芦コミュニティセンターと学童保育施設を整備。新たな地域複合化拠点を創設する。２０２５年度は建築設計事務所を選定。２６年度は基本・実施設計に移行。２７～３０年度の４年間で３施設の施設整備工事を進め、３施設の機能連携を実現するゾーニングを目指す。これにより事実上の小中学校再編がスタートする。

　適正規模の西小（上日向６０６）に小規模校の加園小（加園２８００）を統合再編する。２８年度の児童数見込みは西小が９７人、加園小が３７人、統合後は１３４人と推計。加園小は２７年３月に閉校し、４月から統合校となる。

　西小校舎の長寿命化改修工事は２７年度から着手。財政負担の大きい仮設校舎の建設を避け、暫定的に加園小校舎を統合校に使用。学童保育施設は加園小敷地内の現行施設を継続利用。西小学区の児童はスクールバスで送迎する。

　西小の敷地は１万９００６平方ｍ。校舎はＲＣ造２階建て延べ３７０２平方ｍ。築５３年が経過し、長寿命化改修が必須。体育館は２３年７月に長寿命化改修済み。２５年度は保護者や地域住民への説明会を開催する。

　加園小の敷地は１万４１４７平方ｍ。校舎はＲＣ造３階建て延べ２９２９平方ｍ。新耐震基準の築３１年。西小長寿命化改修中の建設工事関係車両の出入りや騒音振動、児童の安全確保を最優先し、当面は加園小校舎を統合校に使う。

　西小校地内に整備する東大芦コミュニティセンターは移転新築。学童保育施設は新築や増改築を検討。通学区域は酒野谷、下日向、上日向、深岩、笹原田、下沢、引田、日吉町の一部、下大久保、上大久保、草久、野尻、加園、下久我、上久我。

　市教委は２４年１１月、小中学校再編計画（２４年～３３年度の１０年間）を策定。学校数は現行の３４校（小学校２４校、中学校１０校）から再編後は２０校（小学校１３校、中学校６校、義務教育学校２０校）に集約する。

　２４年度からの前期５カ年間で児童生徒数の減少に伴う小規模校の弊害を解決し、２９年度からの後期５カ年間で大規模校や小規模見通し校を解消する。学校配置適正化に向け、通学区域の見直しとともに統廃合を進める。

　前期実施プラン（２４～２８年度）の進捗状況は、地域住民らとの協議を踏まえた統合再編方針年度が決定。西小と加園小の統合を皮切りに２７年度は適正規模の西中校舎を活用し西中、加蘇中、南摩中の３校を統合する。

　２８年度は粟野小校舎活用による粟野小、清洲第１小、清洲第２小、永野小、粕尾小を統合。南摩中校舎を活用し南摩小、上南摩小を統合。菊沢西小校舎を活用し菊沢西小、板荷小を統合。北中校舎活用により北中、板荷中の統合で合意。

　２９年度は南押原中学校区小中一貫校（南押原小、楡木小、みなみ小の一部、南押原中）を開校。３２年度は北犬飼中学校区義務教育学校（石川小、津田小、池ノ森小、さつきが丘小の一部、北犬飼中）を新設する。

　小中学校は児童生徒の教育の場だけではなく、各地域のコミュニティの核を形成する。学校教育の直接の受益者となる児童生徒、就学前の子どもを持つ保護者らの声を重視。地域住民の理解と協力を得るため、地区検討会を置く。