伊那市が2026年度から３年間の予算編成の指針となる26～28年度実施計画を策定した。小中学校の老朽化対策に３カ年総額18億720万円を試算。26年度は６億5600万円を見込み美篶小、西春近南小、春富中の３校で改修工事を行うとともに、27年度の改修に向け伊那北小、富県小、伊那中で設計を実施する。また26年度事業として手良小学校の給食施設整備に３億3600万円、私立伊那保育園建て替えに対する補助金１億6740万円を見込んだ。

　実施計画には総事業費がおおむね1000万円以上または総合計画の主要施策を推進するハード事業を掲載。年度別の事業費総額は26年度56億6850万円、27年度42億9150万円、28年度34億9780万円。

　部局別の主要事業は次の通り。

　【総務部】

　本庁舎関連で外壁タイルの補修に26年度設計費100万円、27年度工事費4600万円。太陽光発電施設設置およびEV車購入等に26年度8690万円。また国道152号改築に伴い、支障となる防火水槽の撤去および新たな消防水利設置に26年度3000万円を試算した。

　【企画部】

　地域の共助基盤となるコミュニティの創出を支援するための拠点整備等を計画。26年度に5500万円、27年度に3000万円を見込んだ。企画政策課は「新たに施設をつくるのか、既存建物をリノベーションするのかは検討中」と話した。

　【健康福祉部】

　美原防災スポーツセンター建設に３カ年14億2100万円。現在は施設の建設工事が宮下建設・西武建工JVなどの施工により進む。工期は26年10月。27年度からは公園の再整備や周辺道路整備を予定している。年度別の事業費は26年度11億5100万円（工事）、27年度1000万円（設計）、28年度２億6000万円（工事）。

　また28年開催の国民スポーツ大会に向けた競技会場整備（改修）に26年度２億円、27年度１億9000万円、28年度800万円。入浴施設「みはらしの湯」の改修に26年度1670万円を見込んだ。

　【こども部】

　社会福祉法人花いちもんめが運営する私立伊那保育園（伊那市山寺3187）の建て替え事業に対する補助金に26年度１億6740万円。施設の老朽化に対応するもので、新園舎は敷地内の別の場所に建設する計画で、仮園舎の設置は想定していない。同法人では26年度に設計、27年度に工事を行う予定。

　【農林部】

　団体営土地改良事業に３カ年６億9400万円（26年度は１億9800万円）。農業用用排水路の改修や、ほ場整備を推進する。林道南アルプス線改良には３カ年各4830万円、市単土地改良事業には３カ年各2450万円。林業成長産業化地域創出モデルの構築へ26年度の専用道開設等に5430万円を盛った。

　【商工観光部】

　六道原工業団地拡張事業へ26年度１億8350万円、27年度１億1640万円。企業の用地需要にあわせて道路等インフラを整備する。

　高遠さくらホテル改修には３カ年総額6530万円（26年度は3330万円）を見込んだ。

　このほか宿泊施設「仙流荘」の改修に26年度設計費200万円、27年度工事費3000万円。山小屋「仙丈小屋」の改修に26年度設計費200万円、27年度工事費1800万円。

　【建設部】

　橋梁長寿命化に３カ年総額５億3100万円（26年度は9500万円）、既存路線の舗装改良に同４億3080万円（同１億5360万円）、通学路緊急対策などの交通安全施設整備に同１億3750万円（同7750万円）。

　また、国道153号伊駒アルプスロード整備にあわせた関連道路整備には３カ年４億1780万円。内訳は26年度1780万円、27、28年度は各２億円。県道吹上北殿線から伊那インター工業団地東側交差点までの区間を拡幅する「伊那インター工業団地進入路整備」には３カ年２億5900万円。内訳は26年度に測量等2500万円、27、28年度は工事費として１億400万円と１億3000万円。

　県との協働により建替事業を実施中の市営住宅大萱団地整備事業には、市営住宅除却費用として26、27年度に各8340万円を見込んだ。このほか市営住宅若宮団地整備に26年度5880万円、流域治水プロジェクト工事に26年度6000万円、JR二条踏切の歩道整備へ27年度設計費1200万円、28年度に詳細設計費等2200万円。

　【教育委員会】

　小中学校施設老朽化対策等改修整備には、本実施計画中最大となる３カ年総額18億720万円を試算。年度別の内訳は26年度６億5600万円、27年度７億800万円、28年度４億4320万円。

　このほか手良小学校の給食施設整備・備品更新に26年度３億3600万円、東春近公民館改修工事に同１億4700万円、小中学校空調整備に３カ年総額１億6570万円（26年度は8350万円）を見込んだ。