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新潟県土木部

調査設計に14億円配分、6方向の避難道路整備

2025/12/26 新潟建設新聞

 県土木部は柏崎刈羽原発からUPZ圏外へ避難するための6方向の幹線道路を優先的に整備する。12月補正予算予算で、道路橋りょう費に19億2000万円を確保し、各種調査設計業務へ14億円を配分して年度内に各地域振興局から発注する。環境費には3億4000万円を充当し原子力発電施設等緊急時安全対策補助に1億3000万円、原子力災害時における避難路整備の調査等事業には2億1000万円を付けた。

 道路橋りょう費のうち調査委託業務に14億1500万円を配分。橋梁15カ所の耐震補強設計や概略検討業務=表=、法面対策61カ所の調査、未改良区間(国道252号約4㎞、国道353号約5km、国道352号(南)約2km)の拡幅に向けた調査と設計を行う。工事費には2億5000万円を充て、国道402号寺泊山田の落石防護柵設置など一部工事に着手する。補償費には2億5500万円を計上し、未改良区間の用地補償を行う。

 改修対象の橋梁15カ所(うち跨線橋2カ所)は予備設計が完了。詳細設計に進む13橋は工事着手に向けた具体的な設計を行う。柏崎振興局管内の小坂橋・御幸橋、小岩大橋・中川橋、仲橋・出合橋ではそれぞれ2橋ずつの調査を1業務として扱う。柏崎市の安田跨線橋と枇杷島跨線橋の跨線橋2カ所はJRとの協議が必要なため、概略検討のための予備設計を行う。

 法面対策は61カ所のうち48カ所で調査業務が完了。引き続き予備設計などを進めるほか、工事着手可能な箇所については順次、施工発注を行う。雪崩防止工や落石防止柵の設置などを予定する。

 柏崎市は高速道路の追加IC整備を検討中で、国の原子力発電施設等緊急時安全対策交付金を活用し北陸自動車道の緊急進入路整備やスマートインターチェンジ2カ所(上方・曽地)の整備を計画する。冬季渋滞の原因となるスタックの解消へ、重点箇所6カ所に監視カメラと消融雪施設も追加設置する。北陸自動車道・米山サービスエリアへの進入路整備や、県道柿崎小国線のトンネル新設に向けた調査などの事業費も同交付金を活用し整備を行う。

 県土木部は「未改良区間の道路拡幅は用地取得を要する見込み。雪崩防止工など着手しやすい工事から整備を進める。2026年度は着工箇所も増える見通しで、金額的な全体の事業規模もより詳細が見えてくる」と状況を話す。

 県が原発再稼働に同意したことを受け、東京電力は24日、柏崎刈羽原発6・7号機について年明け1月20日の再稼働を発表。営業運転は2月26日から開始する見通し。

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