千葉市は「動物公園リスタート構想アドバンストプラン」を策定し、開園50周年の2035年を目標とした、湿原ゾーン約1・1ha、森林ゾーン約1・7ha、大池ゾーン約1・9haの具体的な整備内容などをまとめた。森林ゾーンは、旧子ども動物園跡地へのアフリカの森約0・6haの整備(第1期)、現モンキーゾーン跡地へのアジアの森約1・1haの整備(第2期)、動物科学館の屋外を中心とした展示場約300㎡の改修・刷新(第3期)の順に進めていく。第1期は、26年度から35年度の前期に基本設計・実施設計と工事を実施し、同中期のオープン予定。第2期は、同前期に基本設計をまとめ、同中期の実施設計と工事を経て、同後期のオープンを目指す。第3期は、同中期に基本設計をまとめ、同後期の実施設計と工事を予定している。
湿原ゾーンと大池ゾーンの整備は、年度内に実施設計をまとめ、26年度の着工を予定。
森林ゾーン・湿原ゾーンの整備方針は「『動物の暮らしを魅せる』展示空間の創出」。園の景観特性「プライベートスカイ」を生かした広々とした空を借景とし、動物の生息環境を再現することで、動物の暮らしや行動を学ぶ空間を創り出す。
森林ゾーンは、アジアの森とアフリカの森を中心とし、ニシゴリラ、マレーバク、フクロテナガザル、ホンドザル、アカカワイノシシ、ブラッザグエノン、ホロホロチョウ、エリマキキツネザル、ビントロング、キジ類、アカアシドゥクラングール、ムササビ、キョンの展示を想定。
アジアの森は、アジアの森林と千葉の森林で構成。アジアの森林は、マレーバクの水場や熱帯雨林をイメージした修景を整備する。千葉の森林は、ホンドザルを中心に、県内で絶滅したムササビや、生息域を拡大している外来種のキョンなど、千葉特有の展示を行う。
アフリカの森は、既存樹木を活用した修景や、斜面林を借景とした奥行きのある森林景観の創出を目指す。
湿原ゾーンの展示動物は、ハシビロコウ、カピバラ、アメリカビーバー、コツメカワウソ、スナドリネコ、カラフトフクロウ、ショウジョウトキ、ヘビクイワシ、タンチョウ、水禽類を予定。
ハシビロコウの展示場は、繁殖行動につながる飛翔行動を発現させるため、十分な広さを確保する。そのほか、ビーバーがつくるダムを模した施設の整備、カピバラの生息地の再現などを行う。
大池ゾーンは「生物多様性保護ゾーン」「レクリエーションゾーン」「バッファゾーン」に区分し、街・里山・奥山の景観のつながりによる没入体験のシームレスな連続空間を創出する。
アドバンストプランは、14年3月策定の「動物公園リスタート構想」における再整備計画を具体化するとともに、新たに取り組むべき事業について取りまとめたもの。



















