伊南行政組合はこのほど、現在進めている新病院建設事業の基本計画見直し作業について中間報告を公表した。病床規模を当初計画の199床から、2割程少ない160床程度に縮小し、建設事業費の圧縮を図る。今後、病床数などの条件をもとに建物の延べ床面積を算出し、概算事業費を示す。見直し内容を反映した基本計画の改定案は2026年2月下旬をめどにまとめる。
見直し案の中間報告による病床数の内訳は、一般病床を現計画125床から100床程度、ハイケアユニット(HCU)を8床から4床程度、地域包括ケア病床を35床から30床程度、回復リハビリテーション病床を31床から30床程度にそれぞれ縮小。また、現計画では全室個室化としているが、見直し案は4床室と個室の混合とする。
同事業は駒ヶ根市赤穂にある現病院を、国道153号伊南バイパス辻沢信号機東側の農地(約3万6000㎡)に移転新築するもの。基本計画による施設規模は地上6階建て、免震構造、延べ1万8905㎡、病床数199床。建築工事費に130億6000万円を見込んでいた。
23年度には基本設計事業者を伊藤喜三郎建築研究所(東京都豊島区)とエーシーエ設計(長野市)のJVに決定。業務は昨年9月に完了した。しかし、労務・資材費の高騰などにより建築工事費が238億2000万円まで膨らむことが判明。また、昨今の物価高騰や人件費上昇が経営面も圧迫していることから、将来の病院経営を踏まえ、基本計画の段階から見直すことにした。基本計画見直し業務は内藤建築事務所名古屋事務所(名古屋市)が担当している。履行期限は26年3月10日。
当初27年度中としていた開院時期は2年程度延期することを明らかにしている。見直した基本計画を踏まえ、改めて基本設計をまとめるが、早期開設に向けて設計・施工一括の発注も視野に入れている。
なお基本計画業務とは別に、基本計画見直しコンストラクション・マネジメント業務も進めており、こちらはプラスPM(大阪市)が担当している。こちらも履行期限は26年3月10日。
















