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2025/12/27 群馬建設新聞


第1次国土強靱化実施中期計画が6月に閣議決定され、2026年度~30年度の5年間で総額20兆円強程度の事業規模となることが発表された。昨年同様、技術者不足や資材価格の高騰に苦慮する1年でもあった。県県土整備部では同部の最上位計画となるぐんま・県土整備プラン2025が始動したほか、CIMの活用促進を図るべく3次元点群測量業務実施要領を制定するなど、建設業界における取り組みが新たなフェーズに移行したといえるだろう。

【当初予算】

山本一太知事は当初予算の重点施策に「こどもまんなか推進」「新たな富の創出に向けた未来への投資」「持続可能な成長の促進」「県民の幸福度向上」「財政の健全性の確保」の5つを掲げた。一般会計総額は8078億円で、うち投資的経費は1040億7006万3000円。県立学校体育館空調設備整備などの大型事業を実行するため、前年度と比較して約79億円増額している。また、災害レジリエンス№1の実現に向けて◇県土整備部=約202億円◇環境森林部=約67億円◇農政部=約13億円-の総額約282億円を事業費に充てた。

山本知事は発表当時、「予算編成に当たっては熱のこもった議論を重ねてきた。良い予算案ができたと思っている」との考えを示した。

【新県土整備プランが始動】

新たなコンセプトとして「地域ごとの災害対応組織力の維持」が盛り込まれたほか、これまで整備が見送られてきた事業について「8つの新たな中心的事業」の中に盛り込んだ。また、新県土整備プランには「災害レジリエンス№1の実現」を最重点政策とするほか「持続可能で効率的なメンテナンス」および「美しく良好な環境の保全」の2つの政策は継続しつつ、新たに「未来につながる魅力的なまちづくり」を加えた4つの政策を位置づけるなど「災害に強く、安定した経済活動が可能な群馬県」の実現に向け、社会資本整備を着実に推進していく。

【CIMの活用促進に向けて】

4月1日に3次元点群測量業務実施要領を制定。3次元点群測量の手法として◇地上レーザ測量◇UAV写真点群測量◇UAVレーザ測量◇車載写真レーザ測量-の4つを挙げている。対象業務は路線測量、河川測量、現地測量を実施する業務のうち、設計および施工段階で3次元点群データを活用するための測量と従来手法と比べ業務の効率化等が期待できる測量とし、CIMのさらなる活用促進を図っていく方針。

【大型事業が進捗】

小児医療センター再整備については、3月にマスタープラン案の概要を示した。病院本体の延べ床面積が2万3400㎡、立体駐車場については6600㎡の規模を想定することや、30年度の開院を目標に工事を進める。概算事業費総額は291億5500万円を見込んでいることなどを明らかにした。

5月には県民会館(前橋市日吉町1-10-1)を廃止する方針を発表。基礎調査業務をデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー(東京都千代田区)に委託し、新しい文化拠点のコンセプト案の検討・提案は新しい文化拠点の目的と役割や県民へ提供すべき価値などを検討している。

ぐんまフラワーパークが10月10日、新たに「Gunma Flower Park+」(前橋市柏倉町2471-7)としてリニューアルオープンした。「ENJOY!花とあそぶ」をコンセプトに、花を「見る」だけでなく、五感を通して花や自然を楽しめる体験型施設に生まれ変わった。

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