県央環境衛生組合(管理者=小林宣夫茨城町長)は、老朽化が進む現し尿処理施設の更新に向け、新し尿処理施設の基本計画策定に関する検討を進めている。新施設は、生物学的脱窒素処理方式を基本とした水処理や、堆肥化・助燃剤化・リン回収などの資源化方式を導入する計画。基本計画は本年度中の策定を目指し、順調に進めば2027~29年度に造成・施設整備工事を行い、30年度の稼働を想定している。
9月26日に開催した第3回整備検討委員会では、施設整備内容(案)を中心に具体的な議論を行った。現施設は建設から57年、大規模増築から43年が経過しており、設備の老朽化が著しいことから、早期の更新が課題となっている。
施設整備内容の検討案では、計画施設の整備予定地を、組合が所有する既存施設北側の運動広場(旧ゲートボール場含む、約6200㎡)と設定。
周辺環境や都市計画条件を整理し、用途地域の指定はなく、建ぺい率60%、容積率200%の条件下で施設配置を検討する。直近住居は南東約300mに位置しており、放流水や臭気、騒音など周辺環境への配慮が重要な検討項目として挙げられている。
水処理方式については、生物学的脱窒素処理方式を基本とし、標準脱窒法(標脱)は処理水の排出負荷量が相対的に大きいことなどから除外。「標脱を除く生物学的脱窒素処理方式」を競争的に選定する方針を示した。
仕様書の記載方法については、処理方式を限定せず入札参加者からの提案を求める方法と、基本的な処理フローを示した上で自由提案を認める方法の2案を提示し、発注段階で整理する考えとしている。
前処理設備では、夾雑物除去後に前凝集分離を行い、脱水分離方式、濃縮分離方式、膜分離方式など複数の処理フローを比較検討。処理水は硝化・脱窒素処理および高度処理を経て放流する計画で、放流水質は水質汚濁防止法など関係法令の中で最も厳しい基準を適用する方針とした。
資源化方式については、堆肥化、助燃剤化、リン回収の3方式を検討対象とし、近年の導入実績や脱炭素化への寄与、製品の流通面における課題などを整理。特にリン回収では、MAP法やHAP法などの技術を例示し、水処理方式と密接に関連することから、水処理方式と同様に競争的に選定する考えを示した。
臭気対策では、臭気濃度に応じて高・中・低濃度の系統に分けて捕集し、密閉化や局所脱臭を基本とする計画を提示。受入槽や貯留槽、脱水設備など主要設備ごとに捕集量を想定し、周辺環境への影響低減を図る。
委員からは、処理方式選定における性能値の設定方法や、排出負荷量基準をより明確にすべきとの意見が出された。事務局は、基本計画段階で根拠法令を明記した性能基準を整理し、最終的な方式選定は発注段階で行うと説明している。
今後は、第5回検討委員会を26年2月中旬に開催し、パブリックコメントを経て本年度中に基本計画を策定する。暫定値による概算事業費は、施設規模を同一とした場合、堆肥化が約69億円、助燃剤化が約60億円、リン回収が約62億円を見込んでいる。

















