国土交通省下館河川事務所は7日、利根川水系鬼怒川河川整備計画変更原案を沿川の栃木・茨城の両県に示し理解を得た。原案では河道整備の対象流量を宇都宮市石井で現行と同じ毎秒4600立方m、下流の水海道では100立方m増の4400立方mに変更する。宇都宮市や上三川町で浸食対策、流量が増加する茨城県下流域では河道掘削や樹木伐採、田川放水路合流部に水門を新設した結城市では堤防整備を位置づけた。概算延長は堤防1・2㎞、浸食12・4㎞、掘削6・5㎞、伐採1・8㎞。利根川合流部から62~63㎞の上三川町上郷地先では礫河原やワンドを再生する。
河川整備計画の変更は、2024年7月の利根川水系河川整備基本方針を踏まえた対応。台風や集中豪雨など水災害が頻発する近年の気候変動を踏まえ概ね30年後を見据えて安全な河川環境を担保する。
過去最大の降雨量を記録し甚大な被害となったのが茨城県常総市で堤防が決壊した15年9月関東・東北豪雨。国と沿川自治体は「鬼怒川緊急対策プロジェクト」を立ち上げ、16年には鬼怒川河川整備計画を策定。石井地点の河道目標流量を毎秒4600立方mに設定した。
原案では年超過確率を50分の1とし、目標流量を毎秒8600立方mに設定。鬼怒川上流4ダム(五十里・川俣・川治・湯西川)など流域内13ダムの事前放流や貯留機能などにより4000立方mを調節。石井地点の目標流量4600立方mを維持。水海道は田川放水路の流入を踏まえ4400立方mに引き上げた。
下流域を対象に21年度、緊急対策プロジェクトが完了。再度の災害防止を目的に堤防決壊箇所の本格復旧、堤防整備、河道掘削を実施し流下能力を確保した。
中流部では堤防の浸食対策に重点化。中下流における24年度末浸食対策概成率は約31%と課題が残った。
堤防の整備では全体で192・5㎞を計画。高さや幅が不足している区間は24年度末で26・1㎞。今後は浸水対策として水門を整備した結城市の田川放水路合流部上流を順次、実施していく必要性を示した。
環境整備では在来植物の成長を育んできた礫河原や水生生物の良好な環境を維持する瀬や渕を創出。計画では利根川合流部から62~63㎞に位置する上三川町上郷地先の礫河原環境の目標に6・8ha、ワンド・たまりは1・4haを採用した。
洪水時の水量調節や平常時の河川流量を維持する上流4ダムは、適切な維持管理による長寿命化や機能を維持する老朽化・耐震対策を実施。揚水機などの河川管理施設も操作員の担い手不足に対応し施設操作の遠隔化や自動化を進める。
















