成田国際空港(NAA)は20日、成田空港新貨物地区検討協議会を設立し、第1回総会を貨物管理ビル504会議室で開催した。会長の神﨑俊明・NAA取締役営業部門長は冒頭、「新貨物地区の整備は『成田空港第2の開港プロジェクト』の要諦を成す。成田空港が日本の国際競争力を支える社会インフラ、そして地域の皆さま方の暮らしや産業を支える拠点としての役割を果たし続けるためにも、絶対に成功させなければならない」と述べた。協議会における意見は、2027年8月にまとめる新貨物地区マスタープランに反映する。
新貨物地区は、多古町や芝山町などにまたがる首都圏中央連絡自動車道(圏央道)沿いの約200haにおいて整備を計画している。
協議会では「第2の開港プロジェクト」の一環として航空物流機能の高度化を進めるに当たり、「新しい成田空港」構想検討会などにおける議論を深度化し、理想的な新貨物地区のあり方を定めるため、貨物オペレーションを実施する航空会社、上屋事業者、フォワーダー、運送事業者らの意見を聞く。
今回を含め、12月までに全5回程度の総会を開く予定。また、下部組織としてワーキンググループ(WG)を設置し、必要な施設規模、自動化を前提とした場合のオペレーションの変化、オペレーションが変化した場合のトラックの誘導の変化および必要な構内道路の仕様など詳細な協議・検討を実施する。WGは、各総会の間におおむね月1~2回程度開催する見込み。
協議会以外でも業界団体との意見交換を引き続き実施し、新貨物地区マスタープランに反映する。また、空港に隣接してグッドマンが開発を進めている「国際航空物流拠点」との連携についても検討を進めていく。
今回の総会では、「第2の開港プロジェクト」、さらなる機能強化事業、「新しい成田空港」構想、新旅客ターミナルと新貨物地区の配置イメージ、「新しい成田空港」構想検討会における検討状況、新貨物地区検討協議会の構成・メンバー、成田空港の置かれている状況、成田空港が目指す姿について共有を図った上で、協議会において議論したい内容を示した。
出席者からは「国家プロジェクトとして進めていくに当たり、しっかりと協力していきたい」「羽田空港を含め、首都圏としての物流のあり方を抑えた上で検討を進めてほしい」「現施設から新貨物地区への移行を含めた計画を立ててほしい」などの声が寄せられた。
国内空港における国際航空貨物取扱量のシェア推移を見ると、2022年は成田空港64・5%、羽田空港9・5%だったが、24年には、羽田空港の国際線増枠により成田空港54・4%、羽田空港19・7%となった。
ACI空港ランキング(国際航空貨物取扱量)によると、成田空港は1989年に首位だったが、新興空港の発展により、2024年には10位に後退した。羽田空港を合わせた「首都圏空港」としても3位の仁川国際空港(韓国)に及ばないことから、日本の貿易を支えていくためにはトランジット貨物を取り扱いやすい施設への転換を含め、成田空港の機能強化が必須となっている。
成田空港内上屋は、第1貨物ビル、第2貨物ビル、日航貨物ビル、輸入共同上屋が供用開始から48年、第3貨物ビルが同42年、第4貨物ビルが同30年を経過するなど、老朽化が進行している。加えて、狭あい化や分散化も課題となっており、抜本的な解決のために新貨物地区の整備が求められている。
成田空港が目指す姿に関しては▽貨物地区の集約=空港内で分散している貨物地区を集約することによる、コスト・リードタイム削減など▽スムーズなアクセス(高速、GSE、通勤)の追求=圏央道・新貨物地区間のスムーズなアクセスによる生産地と消費地の速達性向上など▽エプロンエリアに求められる機能=潤沢なフレータースポット・機側での貨物スタンバイ・機移しのためのスポット周りスペースの確保など▽モーダルシフト・共同輸送への取り組み=モーダルシフトへの対応のため、日本貨物鉄道(JR貨物)のオフレールステーションの新貨物地区構内への設置など▽新貨物地区の整備とゾーニング=上屋エリアに近接したフォワーダーエリアの設置など▽トランジット貨物混載手続きの課題=トランジット貨物混載手続きの実用性を向上させるための税関手続きシステムなどの対応――を挙げた。
これらを踏まえ、協議会では「日本の貿易を支えていくのは空港拡張の余地がある成田空港」と位置付け、海外空港との激しい空港間競争を勝ち抜ける貨物ハブ空港への転換を図るとともに、貨物オペレーションの徹底的な自動化による生産性向上、設備の共通化・共有化、魅力的な職場環境などの整備、新規インターチェンジから新貨物地区へのアクセス道路直結などについて議論を展開する。
新貨物地区マスタープランに関しては、25年12月19日に策定業務の企画競争型公募を開始した。委託期間は27年8月20日まで。概算額は3億3000万円。貨物上屋取扱量の350万t/年への拡大に対応するため、貨物上屋など建築物、道路計画、関連施設・設備、基盤インフラユーティリティなどについて計画し、地区全体のマスタープランをまとめる。
協議会メンバーは次の通り。
〔▽属性=会社・団体名(属するWG)〕
▽航空会社=全日本空輸(貨物上屋、ES)、日本貨物航空(貨物上屋、ES)、日本航空(貨物上屋、ES)、CARGO TERMINAL OPERATORS´ COUNCIL(ES)▽上屋会社=ANA Cargo(貨物上屋、ES)、国際空港上屋(貨物上屋、ES)、JALカーゴサービス(貨物上屋、ES)▽フォワーダー=近鉄エクスプレス(フォワーダー施設、ES)、日本通運(フォワーダー施設、ES)、郵船ロジスティクス(フォワーダー施設、ES)▽運送事業者=航空集配サービス(運送事業者、ES)、佐川急便(運送事業者、ES)、西濃運輸(運送事業者、ES)、ヤマト運輸(運送事業者、ES)▽空港会社(事務局)=NAA(貨物上屋、フォワーダー施設、運送事業者、ES)▽官公庁(オブザーバー)=財務省東京税関
















