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千葉県県土整備部

長門川の事業費53億増/九十九里高潮対策15年延伸/県土整備公共事業評価審

2026/01/22 日刊建設タイムズ

 県県土整備部は21日、2025年度第5回県土整備公共事業評価審議会(委員長=轟朝幸・日本大学理工学部交通システム工学科教授)を、県庁南庁舎4階県土整備部会議室を本部としてオンライン形式で開催した。「社会資本整備総合交付金北九十九里~一宮海岸高潮対策事業」「社会資本整備総合交付金九十九里浜侵食対策事業」「社会資本整備総合交付金一級河川利根川水系印旛沼・印旛放水路・長門川」について再評価を実施し、「事業継続を妥当」とする対応方針案が了承された。「北九十九里~一宮海岸高潮対策事業」は事業期間15年の延伸、印旛沼・印旛放水路・長門川は事業費53・3億円の増となっている。

 「北九十九里~一宮海岸高潮対策事業」では、11年の東北地方太平洋沖地震による津波被害を受けて復興事業で整備した土堤をコンクリート被覆することにより、堤防機能の強化を図っている。事業延長は約12km。防護高さはT・P・+6m。全体事業費は107億円で、25年度末時点で8%に当たる8・85億円を投資済み。

 事業期間について21~30年度を予定していたが、海水浴シーズンによる施工時期の制約や関係機関との施工時期の調整により施工期間の確保が難航したため、45年度までに延伸する。

 費用便益比(B/C)3・5で事業の投資効果が見込めるほか、津波被害の軽減が図られることなどから、事業を継続する方針とした。

 「九十九里浜侵食対策事業」においては、海岸浸食を抑制・防止し、砂浜の保全を図るため、養浜(人為的な砂の投入9万m3/年)や施設整備(ヘッドランド9基、離岸堤7基)を実施している。事業延長は約60km。事業期間は21~49年度。

 総事業費について、養浜材の採取箇所の追加(2か所→6か所)に伴い10億円を増額し、340億円とする。25年度末で、3・9%に当たる13・15億円を投資済み。

 B/C1・6(残事業1・7)で事業の投資効果が見込めるほか、首都圏中央連絡自動車道の整備や世帯数の増加などにより今後も海岸利用が見込めることなどから、事業を継続する方針を固めた。

 印旛沼は、水面積5・3km2の西印旛沼と同6・3km2の北印旛沼から成り、流域面積541km2。西印旛沼と東京湾は印旛放水路、北印旛沼と利根川は長門川で結ばれている。1976年度から河川改修事業を進めているが、流域の土地利用の変化などにより近年では2013年と19年に宅地や農地の浸水被害が発生しており、早急な治水安全度の向上が望まれている。事業延長は、印旛沼29・979km、印旛放水路10・4km、長門川4・275km。事業期間は37年度まで。

 このうち、長門川では、築堤4275m、護岸4275m、水門1基、用地買収2万2400㎡を計画。自立式鋼矢板の前面への捨て石による根固め工をが必要となったことに伴い、追加工種が発生したことから、事業期間を7年延伸し37年度まで、また事業費を53・3億円増の97・3億円(総事業費464・5億円)とする。

 25年度末の事業進捗率は、事業費ベースで37%(171・87億円)、用地費ベースで48・2%(47・71億円)。

 B/C4・2(残事業2・8)で事業の投資効果が見込めるほか、早期の治水安全度の向上や流域の市街化の進展に伴い排水能力の向上が必要であることなどから、事業の継続を妥当とした。

北九十九里~一宮海岸の事業概要 北九十九里~一宮海岸の事業概要 九十九里浜侵食対策事業における採取箇所図(南九十九里) 審議案件3件の継続を了承した

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