NRTエリアデザインセンターは、成田国際空港を中心とした新しい都市圏の名称を「SORATO NRT(ソラト ナリタ)」に決定し、ロゴデザインおよびメインビジュアルなどと合わせた発表会を、28日に東京都千代田区の日経ホール6階「日経・大手町セミナールーム1」で行った。熊谷俊人知事は発表会の後、記者団に対して「自由民主党において、成田空港を核とした国際的な産業拠点を創っていくための議論を深めていただいており、今年はこれまでの議論が政策に反映される重要なタイミング」との見方を示した上で、「空港周辺地域が行政区を超えて一体となって空と共に歩んでいく、そのブランディングとエリアデザインにしっかりと取り組むということが今回、象徴的に示された。これを契機に、国の関係機関や政治に対してより強力に提案していきたい」と力を込めた。
名称は、「成田空港第2の開港プロジェクト」のポテンシャルと、それを生かした空港周辺のまちづくりの取り組みについて広く周知し、国際的企業および多様な人材から選ばれることを目的に決定した。熾烈(しれつ)な世界の空港間競争を勝ち抜く新しい空港都市圏の誕生を示すため、空の都を意味する「SORATO」と、空港周辺の市町の結束を示す「NRT」を組み合わせた。
名称の決定に当たっては、2025年4月1日~5月23日に一般公募を行い、全国から801件の応募があった。応募案を元に、広告デザインの専門家の知見を取り入れながら、名称、ロゴデザイン、メインビジュアルなどを一体的に検討。熊谷知事、藤井直樹・成田国際空港(NAA)代表取締役社長、成田空港圏自治体連絡協議会会長の小泉一成・成田市長、NRTデザインセンター長の石田東生・筑波大学名誉教授で構成する選定委員会で決定した。
今後は「SORATO NRT」を旗印として、エアポートシティ構想の理念を広く周知していくとともに、民間企業や空港周辺市町の関係者と協力し、新たな産業や活力を生み出し、誰もが心豊かに暮らせる取り組みを加速させていく。
SORATO NRTウェブサイトのURLは、https://sorato-nadc.com/。
フォーラムを開催/日経BP総合研
日経BP総合研究所、県、NAAは同日、「未来志向の空港都市圏創造フォーラム2026」を日経ホール3階で開催した。特別講演で、石田センター長は、NRTデザインセンターに関して「日本、首都圏、千葉県、周辺自治体にとって非常に大事な空港地域のビジョンを策定する。そのために、土地利用のゾーニング、産業集積、交通・モビリティ、各市町の課題について共に考え、解決に向けて支援していくことが大事」との考えを示した。
また、あいさつに立った藤井社長は、成田空港の機能強化について「滑走路の整備を25年5月から進めている。旅客ターミナルについては、第1~3を新旅客ターミナルに段階的に集約していく。さらに、A滑走路の両側にある2つの貨物地区を、新しい貨物地区に集約していく。これにより、空港の面積は倍になる」と説明した。
道路ネットワークの整備の進展に触れ、「空港から東京へのルートは、東関東自動車道、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)および東京湾アクアラインにより『ダブルルート』が実現する。圏央道は茨城県、栃木県にもつながっており、多くの場所から空港へのアクセスが容易になる」との見方を示した。
熊谷知事は、成田空港を核とした産業拠点形成に関して「空港を生かし、物流、精密機器、航空宇宙といった産業を誘致していく。国際物流拠点については、グッドマングループとヒューリックによる2つの大きなプロジェクトが動き出している。さらに、空港と特に親和性の高い航空宇宙関連産業の集積を目指している」と強調。
空港を起点とした道路ネットワークの強化については「18年に東京外かく環状道路千葉県区間が全線開通した。また、26年度までに圏央道の県内全線区間が開通する。そして、成田空港と東京都心を最短で結ぶ北千葉道路の整備を進めている。東京湾アクアラインでは、時間帯別料金の社会実験を続けている。新湾岸道路、千葉北西連絡道路という新しい道路軸についても、構想の具体化が進められている」と紹介した。
フォーラムは、河井保博・日経BP総合研究所所長、藤井社長、熊谷知事のあいさつを皮切りに、伊藤元重・東京大学名誉教授が「日本の成長戦略と空港デザイン」、石田センター長が「『エアポートシティ』構想が拓く、日本の国際競争力」、根本敏則・敬愛大学特任教授・一橋大学名誉教授が「自由貿易地域による国際貨物ハブ空港の実現」をテーマに講演を行った。
また、安達功・日経BP総合研究所フェローをファシリテーターとし、伊藤氏、根本氏、石田センター長が「国際競争時代におけるエアポートシティの役割」についてトークセッションを行った。

















