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共同利用施設老朽化 56施設の更新・再編整備

2026/01/29 群馬建設新聞


全国のJAグループが運営し、現在稼働している共同利用施設の半数以上が建設から30年以上を経過しており、更新・再編整備が喫緊の課題となっている。県内においては現在稼働している施設の大部分が建設から30年を超えている状況にあり、県内JAでは、このうちの56施設を対象に2026年度以降順次、更新・再編整備を進めていきたい意向を示す。政府もこうした状況を考慮し、25年度~29年度の5年間を農業構造転換集中対策期間と位置付け、共同利用施設の老朽化対策などを進めていく方針を掲げている。県内にある共同利用施設の老朽化とその対応について、群馬県農業協同組合中央会(JA群馬中央会)の林康夫代表理事会長に話を聞いた。

-県内における共同利用施設の老朽化状況は

林 現在稼働している125の共同利用施設のうち、約78%に当たる97施設が建設から30年を超えている状況にある。このうち県内JAは56施設の更新または再編整備を26年度以降順次、進めていきたいと考えている。56施設の内訳はカントリーエレベーター・ライスセンター22施設、選果場4施設、集出荷場27施設、農産物加工施設3施設。56施設の更新・再編などにかかる計画の内訳は機械の更新23件、再編統合13件、建屋・機械の更新7件、建屋の更新1件、検討中12件となっている。

-共同利用施設の老朽化について全国の状況は

林 全国農業協同組合中央会は25年11月に全国のJAグループの共同利用施設の実態を把握するための調査を実施し、建設から30年超の施設が約71%あり、29年までに更新・再編整備を予定している施設数は1581施設に上る。

-共同利用施設の老朽化についてどのように捉えているか

林 多くの生産者は共同利用施設があることで営農を継続できている。持続可能な農業を実現し、わが国の食料安全保障を確保していく上で、共同利用施設の更新・再編整備は喫緊の課題と認識している。

-共同利用施設の老朽化対策をこれまで進められなかった理由は

林 更新や再編整備には産地JAに多額の費用負担が生じることからこれまで多くの施設は修繕などにより維持してきたが、ここにきて抜本的な対策が急務になってきた。

-共同利用施設の老朽化対策を進めていく上での課題は

林 共同利用施設の更新・再編整備を希望する産地全てに行き届くよう集中対策期間全体を通じた十分な予算確保・支援の強化が必要と考えている。

農林水産省は共同利用施設の整備支援として、新基本計画実装・農業構造転換支援事業を新設した。本事業について群馬県に期待することは事業費に対する補助率の最大化で、本事業の補助率は基本的に50%だが、25年度補正から最大で66・6%の補助を受けることが可能となった。しかし、最大の補助を受けるには県をはじめとする自治体の上乗せ支援が必要となる。このことから、共同利用施設の再編・合理化による産地の構造転換が円滑に進むよう、昨年12月に山本一太知事や井下泰伸県議会議長へ県の上乗せ支援による補助率の最大化を要請させていただいた。

建設から30年を超える共同利用施設の多くは1990年代のガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策予算を活用して建設されたもの。共同利用施設の老朽化対策には多額の設備投資が必要となり、JAの経営に与える影響は非常に大きなものとなっている。

共同利用施設は地域農業を支える重要な施設であり、自治体による補助事業への上乗せ支援により、迅速に老朽化対策を進めていくことが求められる。

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