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【国交省と建設4団体】おおむね6%で申し合わせ/金子国交相との意見交換会

2026/03/23 本社配信

 国土交通省の金子恭之国土交通相と日本建設業連合会(日建連)、全国建設業協会(全建)、全国中小建設業協会(全中建)、建設産業専門団体連合会(建専連)の建設業4団体幹部による意見交換会が19日に開かれた。2026年度の技能者賃金の引上げについて、前年度と同様「おおむね6%の賃金上昇」を取り組み目標とすることを申し合わせ、労務費の確保と行き渡りの徹底、生産性向上に取り組む方針を確認した。

 意見交換会は毎年春と秋の年2回開催している。今回は賃上げに加え、省人化や技術・技能の向上など、生産性向上の取り組みを各団体で推進することも申し合わせた。

 金子国交相は、地元・熊本で発生した災害に触れ「建設業の皆さまには発災当初から現場に駆け付け、巡視活動や道路啓開など地域のために献身的に対応いただいた」と謝意を表明。その上で、持続可能な産業構造を実現するためにも「他産業に負けない賃上げが課題」と述べた。

 技能者の賃金引上げについては、25年度も「おおむね6%の上昇」を目標に業界で取り組んでいる。さらに25年12月には改正建設業法が全面施行され、技能者賃金の原資となる労務費を適正に確保する仕組みが整備された。意見交換会では各団体が賃上げ状況を報告した。

 日建連の宮本洋一会長は、会員企業の協力会社へのフォローアップ調査について7・5割が賃金を引き上げ、このうち5割を超える企業が5%以上賃上げを実施したことを報告。一方で「6%以上の引き上げは約3分の1程度」にとどまるとし「現場所長や協力会社への周知を進め国交省とも連携して改善策を検討したい」と述べた。

 全建の今井雅則会長は、会員企業が直接雇用する技能者について、全体の7・5割が賃上げを実施または予定していると説明。一方、6%以上の引き上げを実施した企業は2割前後に留まったことから「全産業水準に追いつくにはさらなる賃上げが必要」とし、予定価格の設定方法など労務費の行き渡りへの課題を指摘した。

 全中建の河﨑茂会長は「全体の8割近い企業が『賃金が上がっている』と回答した」と報告。一方、6%以上の賃上げは1割程度とし「安定的な工事の発注と受注の確保、設計労務単価のさらなる引上げなどが必要」と考えを述べた。

 建専連の岩田正吾会長は、25年度の技能者賃金が前年度比0・8%増に留まったデータを示し「目標水準に満たない」と状況を説明。「建設4団体では賃上げの必要性を共有出来ている」としたものの「工事量が激減する中では安値競争の教訓が生かしづらい」と述べた。十分な予算と工事量の確保、計画的発注の必要性を訴えた。

 これに対し金子国交相は「事業量不足については必要量を確保していかなければならない」と述べ、約20兆円強規模の事業予算を見込む国土強靱化実施中期計画に基づき、事前防災の観点から安定的な事業実施の重要性を強調した。

意見交換会を開催した 金子国交相

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