国土交通省は、英国や米国の契約方式である「オープンブック・コストプラスフィー契約(OBCF)」に関する調査報告書をとりまとめ、ホームページで公表した。コストの透明性向上や説明責任の確保といったメリットがある一方、円滑な運用には十分な知見と理解が必要で、受発注者間に多くの事務処理が発生すると指摘している。
OBCFは、工事費を実費精算とし、あらかじめ合意したフィー(報酬)を加算して発注者が請負者に支払う契約方式。日本の建設工事の多くは契約時に金額を固定する「ランプサム契約」が主流だが、OBCFでは専門工事会社への発注金額や選定経緯が開示される。そのため、契約の透明性向上やリスク管理の手法の一つとして、中央建設業審議会・社会資本整備審議会基本問題小委員会で取り上げられた。
調査では、国内外の文献調査のほか、建設企業約10社へのアンケートやヒアリングを実施。契約制度や商慣行、実務運用の状況を整理し、主に民間工事などで導入しようとする場合の有効性や留意点、課題などを考察している。
報告書によると、発注者側には▽事業スケジュールの短縮▽入札不調リスクの軽減▽コストの透明性向上▽説明責任の確保―などのメリットがあると指摘。受注者にも▽利益率の安定▽プロジェクト参入機会の拡大―などの効果が見込まれるとした。
一方で、コスト証明のための記録や提出、発注者による承認、第三者検査の実施などで業務が大幅に増加する可能性があり、受発注者間の強固なパートナーシップが不可欠であると分析。今後の検討に向けて、想定する調達方式や類型、コストの定義・内訳、監査ルールなどの整理が必要としている。
















