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(社)長野県建設業協会

県建設業協会深澤会長就任インタビュー

2026/05/27 長野建設新聞

人口減少や担い手不足、資材価格の高騰など、建設業界を取り巻く環境は大きな転換期を迎えている。一方で、頻発化・激甚化する災害への対応や老朽化が進むインフラの維持管理など、地域社会を支える建設業の役割はますます重要性を増している。こうした中、地域建設業の未来をどう描き、次世代へつないでいくのか。県建設業協会の新会長に就任した深澤信治氏に業界の現状と課題、力を入れて取り組みたいことを聞いた。



■就任に当たり抱負を

副会長を1期2年しかやっておらず、経験が浅いので不安はあるが、引き受けた以上は建設業協会や企業の発展のために精一杯努力していきたい。県内建設業に山積している課題の解決へ一生懸命取り組んでいく。


■県内建設企業の現状は

田中康夫知事の際に脱ダム宣言で公共事業が4割削減され、平均落札率も73%となるなど苦しい時代を生きてきた。村井知事になり元に戻っていくかと思えば、民主党政権に代わり公共事業がまた削減された。協会の会員も800社ほどいたが、現在は500社ほどに減少している。平成26年に改正品確法が制定され、国土強靱化の施策が始まり、仕事量が増えてきた。また、県の入札制度も変わってきて受注環境が改善されたのと同時に、設計労務単価や経費率が上がり経営環境も良くなってきている。

このままいけば各会社も利益をあげてやっていける環境にあると思うが、問題なのが人手不足。若い技術者が不足しておりどの会社も苦労している。そこを改善していかないと、各企業の技術者が高齢化し退職してしまうと技術者の数が減り、工事を受注できなくなってしまう。会社を維持するために企業合併やM&Aという形を取らざるを得なくなってしまう。そうなると会員数も減ってしまうのではという懸念もある。


■力を入れて取り組みたいことは

技術者不足の解消に力を入れていきたい。県内に技術系の工業高校が各地域にあり、安曇野市の南安曇農業高校では卒業生38人のうち21人が進学しており、そのうち建設系の学校に進学したのが6人。就職した17人のうち、4人が建設業に入職した。昔は土木系の高校を卒業したらほとんどが建設会社や県や市町村の技術職員として就職しており、弊社も毎年新入社員を確保できていた。しかし今は、せっかく建設系の高校を出ても建設会社に就職する人がおらず、首都圏に進学し地元に戻ってくる人が少ない。

そこで私は、建設技術学園の復活に向けた取り組みを進めたい。地元に学校があり、地元の人が通え、卒業後は地元の企業に入職できるような体制を整備したい。

例えになるが、普通学科の高校を卒業してから建設業に興味がある人がいた場合、企業で採用し給料を払いながら学校に通える形が取れるような学校づくりができれば。県には去年あたりから話をしているが、若い人が就職して現場に行って見習いをしても、現場が忙しく一から教えることが難しい場合も多く、授業である程度の知識を身に着けてからのほうがいいと思う。県も建設技術学園のノウハウがあるので、協会から講師を派遣するといった協力もできる。やはり地元で育てて、地元で就職できるような形を作っていきたい。


■県や自治体に求めることは

国や県には協会との意見交換会や地域を支える建設業検討会議において、私たちの要望を受け止めていただいて感謝している。良い時代になってきているので、最低でも現状を持続してもらい安定した工事量を確保してほしい。また、いろいろ改善していただいているが、まだ受注業者負担になっていることがある。国や県では単品スライドやインフレスライドで対応してほしいと言ってくるが、請負金額の1%は業者負担になっている。県の落札率は約95%、国交省も92~93%に上がっているが、私たちからすればその5~8%は捨てている。100%で落札できれば会社の利益になるので、まだまだ企業側は負担に感じている。最低制限価格を上げるなど、落札率が少しでも上がるような入札制度にしていってほしい。


■協会員や県民に向けてメッセージを

私たちは公共事業に携わりお世話になっている。いざ、災害が起きたときの応急復旧や降雪時の除雪融雪を地域の担い手として使命感、責任感を持って取り組んでいる。県民の皆様にはご理解とご協力をお願いする。

建設業に従事している人は、災害時や緊急時には「俺たちがやらなければ」という使命感を持っている。私たちは警察や自衛隊より先に復旧作業を行っている。少しでも多くの人に、我々がしていることが認知されたら嬉しい。


※深澤信治(ふかさわ・しんじ)㈱フカサワイール代表取締役。1957年2月生まれ。松本市在住。亜細亜大学法学部卒。2016年県建設業協会松筑支部長、2024年県建設業協会副会長、今年5月より会長。

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