厚生労働省が2025年『職場における熱中症による死傷災害の発生状況』を公表した。全体では休業4日以上の死傷者数は約4割増で統計開始以来最多。一方で死亡者数は約4割減となった。25年および直近5年間の死亡者数最多は建設業という結果が出ている。
25年における職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は1803人で前年比546人増(約43%増)。死亡者数は19人で同12人減(約39%減)だった。
同省では25年6月~8月の平均気温が例年より高かったことが死傷者数増の一因と推測。また死亡者数減は、事業場における熱中症の重篤化防止対策が進んだためと見ている。
25年の発生状況を業種別で見ると、死傷者数1803人のうち建設業は2番目に多い292人(最多は製造業365人)。死亡者19人のうち建設業は最多となる5人。また2番目は警備業3人で、いずれも工事現場で交通誘導に従事していた。
21年から25年の5年間で見ると、死傷者数5554人のうち建設業は2番目に多い1038人(最多は製造業1063人)。死亡者131人のうち建設業は最多となる52人、2番目は警備業の18人となっている。なお5年間の死傷者のうち半数超は50歳代以上、死亡者の6割以上を50歳代以上が占めている。
25年の熱中症による死亡者のうち建設業の事例5件は次の通り。
◇機械器具設置工事業・50歳代・男性=被災者は朝から農業用ハウス内で給水用配管工事に従事。午後1時30分ごろ体調が悪そうだったため同僚が日陰で休憩するよう助言。10分後、車の後部で倒れているところを同僚が発見し、救急搬送したが74日後に死亡。
◇上下水道工事業・60歳代・男性=被災者は土場に資材を運び入れる作業に従事し、午後3時40分ごろに終了。その後の行動は不明だが、午後6時ごろに土場を訪れた会社役員が倒れている被災者を発見。救急搬送されたが翌日死亡。
◇その他の土木工事業・40歳代・男性=被災者は道路除草工事で雑草の残りかすをブロワーで清掃。作業中の午後3時30分ごろに倒れ、救急搬送されたが死亡。
◇SRC造家屋建築工事業・50歳代・男性=被災者は集合住宅新築工事現場で解体された壁型枠の材料を上階の同僚に手渡しする作業に従事。作業中、床に座り込んでいたところを同僚が発見。水分を補給して車内で休むが改善せず、同僚の車で病院へ向かう途中に意識不明となり、救急搬送されたが死亡。
◇道路建設工事業・50歳代・男性=被災者は道路改良工事現場で午前中から型枠解体作業に従事。昼休憩後の片付け作業で姿が見えなくなり、同僚が午後3時30分ごろに冷房が効いた軽トラックの車内で倒れた被災者を発見。救急搬送されたが2日後に死亡。

















