4月19日投開票の東金市長選挙で初当選を果たした山下美紀氏は、「市役所周辺地域公共施設等の最適化方針」を踏まえ、市役所庁舎の建て替えも視野に入れている。プロセスを大事にしつつ、市民の意見を反映させ、複合的かつ多機能な施設として集約を図るとした。学校に関しても最適化を図っていく。教育現場の意見をしっかりと聞き、「通いたいと思える学校」を目指すとともに、「小中一貫的教育」を推進する。就任にあたり、「市民の皆さまの思いに寄り添える『日本一市民に近い市長』を目指す」と力を込めた。
――市への思いや印象は。
山下 東金市は自分が生まれ育った場所であり、今日まで優しく見守ってくれた地域の皆さまに恩返しがしたい。市の特徴として、自然が豊かで、古き良き時代を感じられる。御成街道沿いは、伝統建築や切り通しなど文化や歴史が色濃く残る地域であるため、見どころとして生かしていきたい。一方で、観光振興に向けては課題が山積している。八鶴湖周辺のソメイヨシノなどは樹勢の衰えが進行しており、植樹が必要となるなど、長い期間をかけて課題解決を図っていく必要がある。
――就任にあたっての抱負や展望など。
山下 市民の皆さまの思いに寄り添える「日本一市民に近い市長」を目指す。また、未来を担う子どもたちの健やかな成長と自立につながるよう、教育環境の改善を図っていきたい。具体的には、学校体育館への空調設備整備や「小中一貫的教育」を推進する。また、何事にも前向きな姿勢を心掛け、市民の意識変容につなげていきたい。
――公共施設などの最適化について。
山下 「市役所周辺地域公共施設等の最適化方針」を踏まえ、公共施設等総合管理計画に記載されている公共施設や、市役所周辺地域にある東金図書館や東金中央コミュニティセンターなどの機能を、今後の人口推移・規模などに合わせて圧縮かつ充実させる。市役所庁舎については、建て替えも視野に入れて検討を進める。市民の意見をしっかりと反映させ、長期的な費用対効果を勘案した上で、プロセスを大事にしつつ、複合的かつ多機能な施設として集約・最適化を図る。
――教育施策について。
山下 子どもと教師が接する機会を増やすことにつながる「小中一貫的教育」を推進する。教育環境のみならず、働きやすい職務環境となるよう、教育現場や市民の意見をしっかりと聞き、さまざまな可能性を模索する。学校の最適化に当たっては、廃校を前提とするのではなく、通いたいと思える学校を作り上げることを意識する。
遊休農地活用へ/ 雇用の創出図る
――産業振興を見据えた未利用地の活用について。
山下 一部未利用地となっている農地もある旧豊成飛行場跡地約30haには、ポテンシャルを感じており、地権者との合意形成がおおむね図られている農地の利活用を目指す。さらに、次世代AIを搭載した大型農業機械の導入による効率化や雇用の創出につなげる。また、県は企業立地の需要増大に応えるべく、産業用地の整備を推奨しているため、農業のみならず、さまざまな用地需要を的確に捉えたい。市内に立地する企業の経営基盤の維持・拡大に向けた施策も検討する。
――市内の道路整備の考え方は。
山下 道路は人・モノなどさまざまな循環の基盤になると認識している。市内の循環、安全性、利便性などに配慮しながら計画的に進めていきたい。
――空き施設の活用について。
山下 市民に愛される街を目指すため、福祉施設などの空き施設について、廃墟化する前に手立てを講じる。特に、老朽化が進行し、危険な状態もしくは危険な状態になる可能性のある空き施設に対しては早期の解体を検討する。空き施設の土地と建物をFDウイングスに貸し付け、ドローンスクールとして利活用を図った実績を踏まえ、民間事業者への売却や貸し付けを検討する。
――地域の建設業への期待は。
山下 東金建設業協同組合と「災害時における応急対策業務に関する協定」を結んでいる。協定に基づく協力や、柔軟な対応に感謝している。今後も、平時から情報共有を密にし、時代の変化に対応した仕組みづくりに尽力する。また、建設業が抱える物価高騰などによる課題の改善に向け、国や県への要望を積極的に行う。
やました・みき
1975年9月22日生まれ。東金市出身。学習院大学文学部フランス文学科卒業。東金市教育委員会委員や山武郡市広域行政組合教育委員会委員を兼任。明治大学専門職大学院ガバナンス研究科ガバナンス専攻公共政策(専門職)修士課程修了を経て、2026年4月19日執行の市長選挙で初当選を果たした。趣味は、読書、スポーツ観戦、食べ歩き。座右の銘は「和敬清寂」。

















