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【国交省】適正利潤・担い手確保へ/安部賢港湾局長が会見

2026/06/23 本社配信

 国土交通省港湾局の安部賢局長は22日に会見を開き、2026年度の事業方針などを語った。重要目標の一つに「持続的な港湾建設業に向けた技術的な環境整備」を掲げ、30年ぶりとなる積算基準の改定に着手する。併せて港湾建設関連5団体との定期的な懇談会を通じて、適正利潤の確保や担い手確保といった課題の解決にも取り組む方針などを示した。

 ―港湾建設分野における中東情勢の影響と対応状況

 安部局長 日本の原油輸入に占める中東依存度は95・9%と極めて高く、他国と比べても影響を受けやすい状況にある。政府は石油備蓄を放出し供給量を維持しているが、エンドユーザーにとっては長期的な見通しが不透明であり、不安感も根強い。

 港湾局では、港湾工事全般を対象にスライド条項の適用に加え、資材価格の変動に応じて請負代金額を変更するなどの対応を行っている。また、鋼管杭の塗装など建設資材の入手が困難となり、工期遅延や請負契約の解除が生じた場合でも、指名停止措置の対象としないことを明確化し、事業者が応札しやすい環境整備に努めている。


 ―持続的な港湾建設業に向けて

 安部局長 直轄港湾土木工事の積算基準については、30年ぶりとなる大規模な見直しに着手した。施工実態と積算基準とのかい離解消を目的に、全工種を対象として改定作業を進めており、29年度からの完全適用を目指している。

 物価や資材価格の高騰が続く中、限られた予算の中でも、港湾プロジェクトを支える港湾建設業の適正な利潤をしっかりと確保していくことが重要だ。将来にわたり地域の港づくりを担っていただくとともに、災害発生時にも迅速に対応していただける体制を維持していきたい。


 ―3月に開催した港湾建設関連5団体との懇談会を受けて

 安部局長 港湾建設業では、担い手の確保や資材価格の高騰、適正利潤の確保、作業船の更新投資など、さまざまな課題を抱えている。これまで業界団体とは個別に検討を進めてきたが、持続的な発展のために、建設業だけでなくコンサルタントを含めた関係者全体が立場を超えて課題解決に取り組む必要がある。今後も年1回程度開催していきたい。

 特に、作業船の更新や働き方改革への対応は重要な課題だ。かつて「港湾整備五箇年計画」を策定していた時代には、中長期的な事業見通しが示されていた。民間事業者が設備投資を進めやすい環境を整えるためにも、事業量の見通しを示す必要があるかもしれない。

 ―浮体式洋上風力発電の大量導入に向けて

 安部局長 浮体式洋上風力発電については、施工の効率化・高度化に向けた施工技術の開発を公募し、現在、有識者委員会で審査を進めている。7月中旬ごろの採択決定を目指している。30年に向けて浮体搭載用風車の設計技術の開発にも早期に着手し、仕様の設定や設計・開発を進めていきたい。


 ―港湾整備の施策について

 安部局長 ブルーカーボンについては、これまで沿岸域を中心に取り組みを進めてきたが、現在はひたちなか港で、沖合防波堤を活用した藻場の造成によるCO2の吸収・固定に向けた実証プロジェクトに取り組んでいる。こうした取り組みを他港湾とも共有し、全国展開を図っていきたい。

 また、横浜港の新本牧ふ頭では、水深18mの大水深・大規模コンテナターミナルの整備を進めると共に既存ターミナルの再編・機能強化にも取り組んでいる。港湾物流の効率化や国際競争力の強化を進めていきたい。

安部港湾局長

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