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群馬県東吾妻町

齋藤貴史町長就任インタビュー

2026/06/30 群馬建設新聞

4月の東吾妻町長選で初当選した齋藤貴史町長は、上信自動車道の開通を見据えた交通結節点整備や若者向け住宅整備、小中学校の再編など将来を見据えた施策を打ち出している。人口減少や担い手不足といった課題が深刻化する中、「伸びしろしかない町」と語る齋藤町長に、今後のまちづくりの方向性や建設事業への考えを聞いた。

-就任の心境

齋藤 選挙戦を通じて町をくまなく歩き、町民から「人が少ない、子どもが少ない、元気がない」という切実な声や、「住んでいて楽しい町にしてほしい」という期待を直接聞き、課題の深刻さを実感した。

役場職員には、町民のために前向きに一歩踏み出し、その結果としての失敗の責任は全て自分が取るとお願いし、職員と一丸となって取り組んでいきたい。

何事も現場に行って声を聞きたいタイプ。中学生議会で「ワクワクする町」という意見が出て興味深かったが、子どもからシニアまで、ワクワクするまちづくりを目指している。地域振興をずっとやってきたので、そこに期待されていると感じている。

-直面する課題

齋藤 現在、町は多くの難題に直面している。人口問題、働き手、地域の担い手がいないことが負のスパイラルを招いている。 また、町内に建設される一般廃棄物処理施設の管理者としての重責も担っており、大規模な組合事業の円滑な推進が求められている。

-交通結節点整備について

齋藤 今がラストチャンスだと思っている。特に上信自動車道周辺の交通結節点整備。道の駅を併設するかはこれからの議論だが、あったらいいなと考えている。26年度はIC付近整備の基本計画を進める予算をとっているが、どのように整備するか方向性を決めなければいけない。

4年後に上信自動車道が予定通り開通するなら、来年には設計に入らないといけない。この夏までには方向性を決めたい。勇気を持ってやれと町民に期待されているのだと思う。

-賃貸住宅整備について

齋藤 群馬原町駅周辺で若い世代向けの地域優良賃貸住宅整備を計画している。原町赤十字病院の若い看護師など移住や定着を目指して、若い女性も住みたくなるような、ときめく住宅がコンセプト。26年度中はPPP/PFI導入可能性調査を行い、来年度には実施方針を公表したい。

-小中学校統合と教育について

齋藤 保護者の皆さまからは小中学校の統合についてスピード感を持ってやってもらいたいという声が強い。中間素案では、原町小学校に段階的に集約する方向で進めていくという方向性で調整している。

教育は、人材への投資。うちの町は人口あたりのALT(外国語指導助手)の数が全国トップレベル。これを生かして、こども園から中学校まで一貫した英語教育を町全体でやりたい。

そして、リトミックを幼児教育に取り入れられないか教育委員会と研究をしていきたい。当町の偉人であるリトミックの小林宗作先生。先生が初代園長を務めた国立音楽大学附属幼稚園の協力も得られている。自然の中からリズムを感じるという教育を幼児教育に取り入れて「東吾妻に引っ越せば、あんなに付加価値の高い教育が受けられる」と子育て世代を振り向かせる材料になるのではないか。

-観光戦略について

齋藤 東吾妻町にはポテンシャルがある。10年以上活動を続けてきた忍者を強力な観光コンテンツとして推進する。観光商談会での経験から、忍者は世界的な認知度が高く、インバウンド需要において草津温泉にも勝る可能性があると確信している。そして、観光に特化した法人(DMO)を立ち上げ、民間を巻き込んで旅行商品の造成や販売、集客を戦略的に行う仕組みを構築したい。また、町には美味しい農産物が豊富にあるが、行政としてのブランド化が不十分であるため、さらなる強化を図る。まずは、その種まきから取り組みたい。

-ふるさと納税について

齋藤 当町はふるさと納税の成績が低調。商品競争でなく、町への共感を呼ぶストーリーを売ることで寄付を集めたい。燕市の市長とお会いしたときにクラウドファンディング型のふるさと納税の話をお聞きしたことをヒントにした。

杉並区、南相馬市、燕市などの他自治体との交流から得られる知恵を大切にしている。自分は地盤も看板もないボトムアップの人間なので、みんなと一緒にやっていきたい。

-建設業界へメッセージ

齋藤 人手不足や資材高騰という厳しい環境下であるが、水道や道路、除雪などのインフラを守る建設業界の皆さまの力がなければ町は成り立たない。安全第一で、今後もご協力をお願いしたい。町を元気にするためなら何でもやるという覚悟で、伸びしろしかない東吾妻町の未来を建設業界の皆さまと一緒に切り開きたい。

齋藤 貴史(さいとう たかし)

県立渋川高等学校-明治大学政治経済学部卒。新卒で上毛新聞社に入社し、8年間営業・記者として勤務。その後、家業の新聞販売所を継ぐため東吾妻町に戻り、地域振興にも携わる。2023年から町議会議員を約3年間務める。26年4月の町長選挙で初当選。53歳。

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