国土交通省が設置する「今後の成田空港施設の機能強化に関する検討会」(委員長=山内弘隆・一橋大学名誉教授)による最終とりまとめでは、旅客取扱施設、貨物取扱施設、成田空港駅および空港周辺の鉄道施設、成田空港と都心・羽田空港方面のさらなる輸送力増強に関する方向性が示された。旅客取扱施設については、ロングピア型の新ターミナルを整備することとし、2030年代のステップ1と、需要動向に応じたステップ2に分け、段階的に供用を開始する方針だ。
最終とりまとめは、6日開催の第4回検討会において決定した。さらなる具体化に当たっては、国交省、成田国際空港、関係事業者、関係自治体などによる検討体制を構築するとともに、需要動向や関係機関との協議など、今後のさまざまな諸条件の変化を踏まえ、柔軟に対応していく。
旅客取扱施設については、今後の需要動向や財政健全性も考慮し、既存施設を活用しながら集約ワンターミナルに向けて能力増強を図っていく。形状はロングピア型を想定し、二次交通との接続や空港の経営戦略など複合的な視点・要素を踏まえて検討を深めていく。
年度内にマスタープラン策定に向けた検討を開始。検討においては、整備内容の具体化を図るため、航空事業者など関係者を交えた体制を構築する。
現状および各ステップにおけるターミナル施設のキャパシティは▽現状=T1・2500万人、T2・1700万人、T3・1500万人▽ステップ1=新T(T1と一体運用)・4000万人、T2(T3と一体運用)・3500万人▽ステップ2=新T・7500万人以上。
貨物取扱施設に関しては、空港敷地内で分散している国際航空物流機能を集約。三国間の継越需要を積極的に取り込む東アジアの貨物ハブ空港を実現する。
エプロンに面したゾーンに貨物上屋を整備し、その後背地にフォワーダー施設などを配置。各施設をつなぐ自動搬送システムの導入により、高効率な物流の実現を目指す。
また、物流不動産事業者が開発計画を進めている隣接エリアと新貨物地区の一体的運用により、さらなる需要の創出を図る。
施設規模については、約350万tを想定。今後は、新貨物地区マスタープランの策定作業を進め、30年代初頭の新貨物地区の供用開始を目指す。なお、貨物地区上屋およびフォワーダー施設は、ユニット方式など拡張可能な方式により、需要に応じて段階的に整備する。
関連して、都心とのアクセスや羽田空港との連携強化を考慮した広域道路ネットワーク整備の検討を推進する。
鉄道施設のうち、京成線については、スカイライナーなど成田スカイアクセス線を高架・複線化し、東成田駅付近に高架新駅を整備。高架新駅の南側に新ターミナルと接続する改札口、東側には第2ターミナルと接続する改札口を整備する。東成田駅については、高架新駅との一体的な運用を検討。スカイアクセス線と京成本線は、連絡線で接続する。
また、成田スカイアクセス線について、高架新駅~東関東自動車道交差部付近において新線を整備し、高架・複線化するとともに、東関道交差部付近~成田湯川駅の既存単線区間を複線化する。
北総線との共用区間である印旛日本医大駅~新鎌ヶ谷駅については有料特急列車専用の新線を整備し、複々線化する。
JR線に関しては、成田空港駅~空港第2ビル駅について、既存京成線を改軌してホームを増強するとともに、両駅間を複線化する。併せて、成田空港駅において、新ターミナルに接続する改札口を新たに整備する。
空港第2ビル駅~東関道交差部付近において、既存成田スカイアクセス線跡地を有効活用(改軌)して複線化するとともに、東関道交差部付近~成田駅付近の既存単線区間についても複線化する。
これらの実現までの間、空港第2ビル駅においては足元の混雑対策として、28年上期をめどに旧セキュリティエリアへの待合スペースの設置など改札内外の改良を進める。
成田空港と都心・羽田空港方面のさらなる輸送力増強に向けては、28年度までの第1フェーズで、京成電鉄新型有料特急の押上駅への乗り入れを開始。第2フェースの30年代には、品川駅改良工事の完了後、同特急の品川駅までの直通運転を開始。羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線の供用開始後には、同特急の羽田空港駅までの直通運転を開始する。
なお、リダンダンシー強化などの観点から、現在整備が行われているJR羽田空港アクセス線(仮称)を活用したルートの乗り入れの可能性についても検討が望まれるとした。






















