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茨城県日立市

29年度以降の入居目指す/スマート産業団地40ha/日立製作所

2026/07/15 日本工業経済新聞(茨城版)

 日立市は日立製作所と連携し、市内約40haを対象に、2029年度以降の企業入居開始を目指す「スマート産業団地」構想を本格始動する。GX・DX・AXを実現する次世代産業拠点の形成を目指すもので、本年度は事業計画を検討する協議会を設置し、立地企業や事業スキームの具体化を進めるとともに、国の「GX戦略地域制度」の本選定に向け、計画のブラッシュアップを図る。

 計画地は市内約40ha。県北地域約31万4000人を後背圏とし、周辺には電気機械器具や非鉄金属、汎用機械器具など製造業が集積する立地特性を生かす。次世代エネルギー産業をはじめ、多様な製造業の集積を促進し、県北地域のものづくり産業の発展と、将来を担う新たな産業の創出につなげる。

 インフラ面では、GX実装を可能とするエネルギー基盤と、DX・AX実装を支えるデジタル基盤を整備する。現在は地下水を日量500立方m利用し、電力は契約電力6・5MWの系統電力を使用しているが、団地開設時には非化石証書や太陽光発電(PV)、燃料電池などを活用した脱炭素電力の供給を計画。

 上下水道は南側市道のφ200、東側国道のφ150から引き込み可能で、産業立地に必要なインフラを確保する。

 団地のコンセプトは、エネルギーやデジタルなどの共通基盤を備えたスマート産業団地の構築。脱炭素エネルギーの地産地消やデータの集約・分析、イノベーション創出機能を備えるほか、生産設備やエネルギー利用を「個社最適」から「共用・協調」へ転換し、企業間連携による高効率な生産活動を実現する。

 本年度は土地所有者、開発事業者、エネルギー事業者、リース事業者、金融機関、コンサルティング事業者、行政など計11団体で構成する「日立市スマート産業団地構想協議会」を設置した。5月から月1回程度会議を開き、土地利用や事業手法、立地企業の具体化、事業スキームなどについて協議を進め、事業計画を取りまとめる。

 また、国が新たに創設した「GX戦略地域制度」では、本年2月に応募し、第1次審査で有望地域に選定された。同制度はGX産業クラスターの形成を目指し、財政支援と規制・制度改革を一体的に講じるもの。市は今後、国の伴走支援を受けながら計画内容をさらに洗練し、今夏のGX戦略地域選定を目指す。

 一方、市は中小企業の生産性向上に向け、AIサービス活用実証事業も展開する。AIなどのデジタル技術を持つ企業と市内中小企業が連携し、生産現場の課題解決に向けた実証を実施。導入経費の補助や伴走支援を行い、本年度は3社程度を選定して6~12月に実証を進める。

 来年1月には成果報告会を開催し、得られた成果やノウハウを地域企業へ横展開し、競争力強化と脱炭素経営の推進につなげる。

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