ひたちなか市は、下水道事業の持続可能な運営に向け、民間事業者の技術力やノウハウを活用する「水の官民連携(ウオーターPPP)」の導入検討を本格化する。管理と更新を一体的に実施する「管理・更新一体マネジメント方式(レベル3・5)」を想定し、老朽施設の計画的な更新や維持管理の効率化を図る。本年度は導入可能性調査とマーケットサウンディング調査を実施し、2027年度の入札公告、28年度の契約相手方決定を経て、29年度ごろの事業開始を想定している。
市の下水道事業は、市単独処理区と那珂久慈流域処理区の2処理区、農業集落排水2地区で構成される。下水道施設は、下水浄化センター1カ所、汚水中継ポンプ場3カ所(松戸、柏野、湊)、管渠約576㎞を保有。農業集落排水施設は処理場2カ所(西中根、東中根)と管渠約13㎞を管理しており、将来的には公共下水道へ統合する方針だ。
一方で、事業を取り巻く環境は厳しさを増している。布設後50年を超える管渠は現在約24㎞だが、20年後には約10倍に増加する見込み。施設の老朽化に加え、人件費や資材価格の上昇による維持管理費・建設改良費の増加、人口減少による使用料収入の伸び悩みなど、人的・物的・財政的資源の課題が同時進行で顕在化している。
こうした課題に対応するため、市はストックマネジメント計画に基づき、施設更新を段階的に進めている。処理場では第1期計画に位置付けた沈砂池ポンプ棟や最初・雨水沈殿池などの改築・耐震工事を進めており、中央管理棟は工事を完了。第2、第3期計画では反応タンク設備や消毒設備、汚泥処理設備、ポンプ場などを対象に調査・設計・工事を実施し、35年度(令和17年度)ごろまでに処理場やポンプ場の改築をおおむね完了する計画となっている。市は現在工事中の施設に続き、残る設備については官民連携による更新を想定している。
管渠についても、25年度にストックマネジメント計画を策定し、本年度から本格的な調査を開始した。汚水管(合流除く)のテレビカメラ調査実施率は約10%、合流管は約17%。合流管渠については耐用年数経過後の管渠が45%を占める。計画では30年度までの調査スケジュールを定め、点検結果を踏まえて改築対象箇所を選定し、効率的な更新につなげる考えだ。
市が検討する「管理・更新一体マネジメント方式」は、従来の包括委託よりも踏み込んだ官民連携手法で、維持管理に加え、更新計画の作成や設計・施工までを一体的に担うもの。
長期契約、性能発注、維持管理と更新の一体マネジメント、プロフィットシェアを柱とし、民間事業者の創意工夫を生かしながら施設更新の効率化や行政負担の軽減を図る。
導入に向けたマーケットサウンディング調査の一環として、8月5日午後2時からひたちなか商工会議所会館で事業説明会を開催する。説明会では事業概要や導入スケジュール、想定する事業範囲などを示し、民間事業者との対話を通じて実現性や参入意向を把握。得られた意見を今後の事業スキームや公募条件の検討に反映させる考えだ。
















