県、東京科学大学、成田国際空港(NAA)は23日、県内におけるライフサイエンス・ヘルスケア産業などの集積に向けた連携協定を締結した。協定に基づき、NAAは空港敷地内の既存施設の整備により「スタートアップ等交流拠点」を構築し、2027年度をめどにオープンする。県は、成田空港を「世界基準の医薬品サプライチェーンを支える空港インフラ」と捉え、東京科学大学の知見も生かしながら、「SORATO NRTエアポートシティ構想」のゾーニングにおけるライフサイエンス・パークを中心に産業クラスター形成を目指していく。
東京科学大学は、市川市に、旧東京医科歯科大学から引き継いだ国府台キャンパスを有している縁から今回の協定の一翼を担うこととなった。国府台キャンパスは、国際的な産学連携フィールドとしての再整備および「千葉国際キャンパス」となることが予定されている。スタートアップなどの誘致や国際産学連携に加え、企業と学術機関などを結ぶハブ機能を果たしていく。
協定による連携事項は「千葉県におけるライフサイエンス・ヘルスケア・クラスターの構築推進に関すること」および「医療課題などの解決、革新的な医療・健康ソリューションの研究に関すること」など。協定の期間は3年だが、改廃の申し出が無い場合は1年更新する。
県は、医療機関・企業との調整役として、連携の総合調整を担う。また、国家戦略特区を含む規制改革、予算措置、産学官ネットワークの構築など事業環境の整備を行う。
東京科学大学は、協定に関する医療技術・研究面の提案・協力に加え、臨床研究・医療機器開発の専門家チームとの連携およびイノベーション創出の企画・調整、国内外の学術ネットワークや人材育成機能の活用による知見の提供および人的交流の推進を図る。
NAAは、空港敷地内における医療系スタートアップなどの交流拠点をはじめとする施設の整備・提供、世界基準の医薬品サプライチェーンを支える空港インフラ(物流網など)の活用に向けた関係事業者との連携調整と、これらを通じたクラスターの基盤形成を図る。さらに「NRTエリアデザインセンター」との連携により、戦略企画やプロジェクトマネジメントなどへの支援を実施する。
研究・医療・物流/「必須条件」そろう
協定締結式は同日、県庁本庁舎5階大会議室で開催された。
協定書署名に先立ち、熊谷俊人知事、東京科学大学の大竹尚登理事長と田中雄二郎学長、NAAの藤井直樹・代表取締役社長があいさつした。
熊谷知事は「成田空港は、わが国最大の貿易港であり、医薬品が非常に大きなウェートを占めている」との認識を示した上で「今回、健康医療産業の集積を目指した取り組みの一環として協定を締結できたことは大変喜ばしい。新しい産業がしっかりと巣立っていけるよう全力で取り組んでいきたい」と述べた。
大竹理事長は「バイオ・ヘルスケア分野において『研究』『医療』『国際物流』の不可欠な条件がそろったことは、非常に大きな契機になる」との見方を示した。
田中学長は「成田を中心としたライフサイエンス・ヘルスケア・クラスターに、バイオサイエンス、ライフサイエンスの産業拠点をつくろうというのは素晴らしい考え。輸出産業としての基盤になることを期待している」と話した。
藤井社長は「空港のさらなる機能強化の一環として、空港内にイノベーションを起こせるような場所をつくりたい。また、空港は内陸にあり、周辺に展開していくポテンシャルを有している。今回の連携協定のテーマであるライフサイエンス・ヘルスケア分野での産業集積を、ぜひ実現していきたい」と見据えた。


















