社会資本整備の根幹をなす地籍調査。その重要性とは裏腹に実施面積は減少傾向にある。地籍調査実績を見ると、直近の2025年度は事業費が2億9000万円に対し、事業量は4・18km2となった。事業費自体はおおむね横ばいで推移しているものの、事業量の縮小が続いており、費用対効果の面からも調査の停滞が浮き彫りとなっている。
実施主体となる市町村の状況は、現在実施中の自治体から完了済みの自治体、休止や未着手の自治体と分かれる。休止中・未着手の市町村に話を聞くと、地籍調査の必要性を認識しながらも、財源や人材の不足を主な理由に挙げる。
特に人材面では、事業を円滑に推進するための専門的なノウハウが庁内に蓄積されておらず、手を出せないケースもあるという。財源面においても、限られた予算の中で施設補修や防災・減災対策といった直近の課題への対応が優先され、地籍調査へ配分する余裕がないのが実情だ。
こうした厳しい状況の中でも、少ない人的リソースや財源で事業を進めようと具体的な準備を始める自治体も現れている。その解決策として検討されているのが、工程管理や検査を含めて民間事業者へ一括して業務を委託する2項委託の導入。業務の負担を大幅に軽減することで、専門ノウハウや担当職員が不足している自治体でも調査の着手が可能となる。
県は、調査の加速に向けて新技術の積極的な活用を市町村へ促している。しかし、技術の高度化などに伴い調査費用自体は大きくなっており、自治体にとって予算の増額や新たな補助金の確保は現実的ではないという声も根強い。今後、滞りがちな地籍調査を確実に推進していくためには、単に手法を提示するだけでなく、2項委託や担当する市町村職員をサポートする仕組み、新技術を円滑に導入・運用できるような体制づくりと、実効性のある支援が不可欠となる。
















