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群馬県長野原町

星河明彦町長就任インタビュー

2026/08/18 群馬建設新聞

4月の長野原町長選で初当選した星河明彦町長は、水道事業の黒字化を目指す小型水力発電の導入や集約型まちづくりの推進など持続可能な町政への転換を急ぐ。八ッ場ダム完成後の新たなステージとして、空飛ぶクルマや自動運転など未来への思いを熱く語る星河町長に、対話を重視したまちづくりの方向性や建設業界への期待を聞いた。


-今後の町政について

星河 人口減少や少子高齢化が進む中で、行政には従来の延長ではなく、将来を見据えた新しい発想が求められている。子育て支援や教育、福祉の充実、産業振興や防災対策にも力を入れたい。また、コンパクトシティの考え方を取り入れながら、持続可能な行政運営を進め、限られた財源を未来への投資として有効に活用し、活力ある長野原町を築いていく。


-「対話の町政」とは

星河 これまでの町政は情報発信がわかりにくかったと感じている。これからは町民の望んでいることと町の施策をマッチングさせる「対話の町政」に変えていきたい。SNSを活用した「町長への手紙」などをはじめていて、9月ごろからは各地区をまわって報告会や懇談会を行う。私の目指す「笑顔あふれるまちづくり」は、まずは町民との対話から。現場の声を町政に反映させながら、将来を見据えた政策を着実に進めたい。


-コンパクトシティについて

星河 今、町内10地区で、区長や民生委員、消防団などの担い手が不足している。ある地区では2人だけで役職を回している限界の状態。これらを統合していくと、必然的にコンパクトシティになると考えている。老人ホームなどの公共施設が建て替え時期を迎える。バラバラに建て直すより、歩いて病院や買い物に行ける場所に集約して作り直すべき。免許返納後も安心して暮らせる町にしたい。


-福祉や教育、地域組織の再編について

星河 地域組織の再編もコンパクトシティに関わる。誰もが安心して暮らせる福祉の充実と、子どもたちが将来に夢や希望を持てる教育環境づくりを重点的に進める。また、人口減少が進む中では、従来の地域組織の在り方も見直す必要がある。それぞれの地域の実情を丁寧に伺いながら、住民同士が支え合い、持続可能な地域コミュニティを築けるよう、新たな仕組みづくりを進める。

福祉では公約に掲げた病児保育や病後児保育を推進したい。今、町には利用できる施設がないので、病院とタイアップして検討を始めたところ。働くご両親を助けたいという思いがある。


-インフラ整備の今後について

星河 道路や橋梁、上下水道などの社会インフラは、町民の暮らしや地域経済を支える重要な基盤。老朽化対策を計画的に進めるとともに、防災・減災の視点を取り入れ、安全・安心な生活環境を整備していく。また、デジタル技術も積極的に活用し、効率的で持続可能なインフラ整備を推進し、次世代へ確実に引き継ぎたい。

道路メンテナンスについては、個別路線に対して計画的に維持管理が行えるよう修繕計画を立てるようにしていきたい。


-小型水力発電の導入について

星河 本町の豊富な水資源を有効活用し、上水道施設を利用した小型水力発電の導入を目指している。応桑地区と長野原地区の標高差を利用し、既存施設を活用することで環境負荷を抑えながら再生可能エネルギーを創出でき、災害時の非常用電源としての活用も期待できる。きっかけは、上下水道事業の赤字をなんとかしたいと思ったこと。脱炭素社会への貢献だけでなく、地域資源を生かした新たなまちづくりとして、全国のモデルとなるよう取り組みたい。


-空飛ぶクルマ実証実験場の誘致について

星河 八ッ場ダム周辺には広大な空間や恵まれた立地条件があり、次世代モビリティの実証実験に適した環境が整っている。空飛ぶクルマは観光や災害対応、物流など幅広い活用が期待される未来技術。本町が実証実験の拠点となることで、新たな産業の創出や交流人口の拡大、地域経済の活性化につながるものと期待している。

まずは浅間山を拠点に山頂火口付近をまわるルートで観光利用を考えている。具体的には旧浅間園付近の町有地の活用も検討している。

そして、北軽井沢と軽井沢をつなぐルートも構築できたら、移住者が軽井沢に買い物に行ける。観光振興にも利便性にもつながる。

また、自動運転バスの導入も視野に入れている。道路側にも工夫をして、より安全な自動運転による公共交通の実現ができるのではないか。


-建設業界へひと言

星河 建設業界の皆さまは、道路や橋梁、上下水道などの社会基盤を支え、災害時には最前線で地域を守っていただく、なくてはならない存在。一方で、担い手不足や資材価格の高騰など、多くの課題も抱えている。

町としても適正な公共事業の発注や人材確保への支援を進め、地域を支えるパートナーとして官民が連携し、持続可能な地域づくりをともに進めていきたいと考えている。除草や枝打ちなどの環境整備はこれまでボランティア頼みだった。今後は環境整備に予算をつけて、業者の皆さまに発注するよう変えていきたい。


星河 明彦(ほしかわ あきひこ)

県立高崎商業高校卒。2019年より長野原町議会議員を2期、長野原町監査委員、議会運営副委員長を務め、20年からは株式会社八ッ場ふるさと館の取締役も務めた。4月の町長選で3つ巴の戦いを制し初当選。62歳。趣味はドライブとスポーツ観戦。

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