文部科学省は高等専門学校(高専)について、地域産業や地方創生を支える人材育成・研究拠点として機能強化する考えを示した。理工系やデジタル人材の不足が深刻化する中、公立・私立の高専新設を促進すると共に、既設の高専に対しても老朽化施設の改善や設備環境の向上が図れるよう『国立高等専門学校機構運営費交付金』などを拡充する。高専本科卒業者への学位授与を可能とする制度の整備についても、法制的な観点を含め検討を進める。
17日に開いた「高等専門学校の機能強化に関する検討会」に中間整理案を提示したもの。中間整理案では、高専の機能強化を①量的拡大②教育の質的向上③卒業者の国際通用性確保―の3本柱で推進する方向性を示した。
高専は地方都市に多く立地し、地域産業や社会インフラを支える技術者育成の中核的な役割を担う。少子化が進む中でも入学定員はおおむね充足しており、卒業者の約6割が就職、約4割が大学や専攻科に進学し、平均求人倍率は約30倍に上る。一方で、地元就職率は21.6%にとどまり、地域で育成した人材の地元定着や高専教員の確保も課題になっている。
こうした課題を踏まえ、量的拡大では公私立高専の新設を促進すると共に、工学分野だけでなく農業やコンテンツなど新たな分野への領域拡大を検討する。地域や産業界のニーズなどを踏まえて高専が担う役割を明確にし、新分野に必要な教員や施設、教育環境などの具体的な基準を検討する。
人材面では、企業などで実務経験を持つ実務家教員を含め、優秀な教員の確保を推進する。技術科学大学などとの連携を発展させるとともに、企業で実務経験を積んだ技術者が教育について学ぶリスキリングの場を設けるなど、高専教員の確保・育成につなげる。
国際通用性の確保では、高専本科卒業者に付与される「準学士」が海外で十分に理解されず、進学や就職、ビザ取得などで支障が生じていることを踏まえ、学位授与を可能とする制度を検討する。学位授与の主体や既卒者への対応、国際的に理解されやすい学位名称などについて法制的な観点を含め議論するほか、卒業証明書などによる教育資格の情報発信も強化する。
















