土木学会関東支部新潟会(会長=清田仁・県土木部長)は8月31日、新潟市中央区の新潟グランドホテルで記念講演会(定例会)を開催した。関係者88人が参加し、土木系大学の教育現場について見識を深めた。
講演会に先立ち、清田会長は大規模災害が毎年のように発生している中、これまでの防災・減災、国土強靱化の取り組みの効果が確認されており「その重要性をあらためて認識している。また災害を受けても道路や河川などのインフラが速やかに復旧し、日常の暮らしや経済活動が前に進んでいる姿を見ると、土木は地域の日常を守り、未来をつくる仕事であると実感する」とあいさつ。高市政権が危機管理投資と成長投資を進める方針を示したことに触れ、新潟県でも「災害に強い地域をつくる土木と地域経済を支え、賑わいを作り出す土木の両輪がこれまで以上に重要になる。多くの役割を担う土木技術者を一人でも多く育て、次の世代につないでいくことが土木学会の大きな使命」と話した。
当日は、新潟大学工学部社会基盤工学プログラムの紅露一寛教授が講師となり「土木系大学教員として日々思うこと―大学の教育現場の今とこれから―」をテーマに講演した。建設業界で担い手不足が深刻な課題となる中、研究と教育の現場である大学において、工学部教授として将来の建設業界を担う若者たちと日々接している立場から、建設業界に対する若者たちの視線や、研究者として建設の現場について思うことなど、体験談を交えて紹介した。
紅露教授は、30年間で18歳人口が200万人から100万人強まで半減した一方、大学進学率は30%から55%へ増えたことを説明。最近は授業の制度が大幅に変わるとともに、「真面目」に学業に向き合う学生が非常に多く、子どもの頃から「提供され続けること」の中で成長してきたため「良き選択をすること」に対して熱心であり、「急な予定変更を嫌がる」傾向にあると指摘した。
学生への研究指導における課題として、教員と子どもの数は減っても学生数は変わらないとし「幅広い層の学生を受け入れる中で、学生の学力向上のための工夫が必要」との考えを示した。
講演会終了後には懇親会が開かれ、参加者が所属を超えて交流を深めた。
【写真=清田会長、大学の教育現場をテーマに講演】
















