高萩市は、準用河川玉川の治水対策について、河川改修計画をまとめた。河川を全面改修する案では、約53億円の事業費を試算。計画ではこのほか、花貫川への放水路整備、大規模調節池、小規模調節池と分水路を組み合わせる案など計4案を比較している。併せて、早期に実施可能な当面の治水対策4案も整理し、今後の事業化に向けて検討を進める。計画策定業務は三井共同建設コンサルタントが担当した。
玉川は二級河川関根川の支川で、2000年に準用河川に位置付けられた。関根川合流点付近の下流区間では河道改修が進められ、約340mが完了している一方、上流側では改修が進んでいない。こうした中、23年9月の台風13号では浸水被害が発生しており、市は災害防止に向けた河川整備の事業化を見据え、計画流量配分や河道計画、概算事業費などを検討した。
河川改修計画では、「河川全面改修案」に約53億円を見込む。全体延長1340mのうち、未改修区間1000mを対象に、幅員9~12m、深さ2~2・75m程度で整備する。JR橋と国道6号橋、市道橋7橋の架け替えが必要となるため、鉄道・道路管理者との協議や、施工時の迂回路整備などが課題となる。
このほか、花貫川へ放流する「放水路整備案」は事業費に約51億円を試算。延長約2000m、直径6・6mの放水路を整備し、都市計画道路3・4・1号や県道高萩友部線を横断して花貫川へ放流する。道路復旧や花貫川側の樋管整備などが必要となり、河川管理者との協議も課題となる。
「大規模調節池整備案」は約30億円を見積もり、都市計画道路3・4・1号より西側後谷の圃場整備エリアを中心に、約14万4000㎡の調節池1カ所を整備する。用地取得費は含まれていない。
「小規模調節池・分水路整備案」は概算事業費約37億円を見込む。4カ所の調節池に加え、JR横断部の分水路、国道6号横断部の改修、JR横断部より上流約690mの河川改修を組み合わせる。河川改修では橋梁5橋を架け替える。
当面の治水対策では、玉川本川の本格改修に先行して流下能力を高める4案を整理した。JR横過部の対策では、玉川の高萩開渠と避溢橋を既存橋梁の底板付近まで掘削する。ただし、掘削による効果は限定的で、JRとの協議も必要となるため、概算工事費は算出していない。
玉-1号水路の改修案は約3億円。延長約710mを対象に、既設の直径600㎜の水路を1000㎜へ拡大し、JR常磐線横断部約32m、国道6号横断部約20mも同規模で整備する。住宅が連担する区間のため、水路布設替えに伴う用地確保が課題となる。
迂回水路整備は約2億5000万円で、延長約400mのボックスカルバートを整備する。福祉センター付近で分水し、谷地川へ放流することで、JR横断部の流下量を減らす。既存道路内での施工となるため、埋設物の移設や交通への影響が課題となる。
小規模調節池整備は約12億5000万円を見込み、福祉センター北側と本町ファミリースポーツ公園に調節池を設ける。福祉センター北側は民有地の取得が必要となる一方、本町ファミリースポーツ公園は市有地のため、比較的着手しやすいとしている。
市は、治水効果や事業費、用地、関係機関との協議などを踏まえ、今後の事業化を検討する。

















