国土交通省国土技術政策総合研究所と建築研究所は、令和8年熊本地震による建築物の被害調査結果(速報)をまとめた。鉄骨造等建築物、基礎・地盤、非構造部材を対象に現地調査を実施したところ、鉄骨造では八代市内で旧耐震基準とみられる建築物の層崩壊を確認したほか、地表地震断層の直上では断層変位による杭基礎の露出や建築物の破壊がみられた。外壁やガラス、天井などの非構造部材にも脱落や損傷を確認した。
鉄骨造等建築物は、事前に被害情報が得られた八代市、宇城市、氷川町で外観を中心に目視調査した。八代市内で層崩壊した建築物はいずれも、国土地理院の空中写真から1976年以前の建設と判断され、旧耐震基準とみられる。このほか、隣接する構造物の倒壊・接触によって傾斜や構造被害が生じた建築物もあった。構造被害として、梁端溶接部やブレース端接合部の破断、柱脚部のコンクリート破壊、アンカーボルトの伸び、柱の局部座屈などを確認した。
基礎・地盤では、八代市から宇城市の強震観測地点周辺にある非木造建築物を調査。ごく一部の杭基礎建築物で周辺地盤の沈下によるわずかな抜け上がりが見られたものの、それ以外では顕著な沈下や傾斜は確認されなかった。一方、地表地震断層が出現した2地点では、断層直上で杭基礎の露出や戸建て住宅の傾斜、学校建築物の破壊を確認した。2016年の熊本地震被災後に復旧された緩斜面では、宅地擁壁が再び被災した事例もあった。
非構造部材では、ガラスやガラス扉の破損、扉の傾き、ALCパネルの損傷・脱落、外装材の傾きなどが見られた。店舗の軒天井などでは、天井高の低い吊り天井が比較的広範囲に落下・垂れ下がる被害も確認。落下した軒天井はいずれも鋼製下地を使った在来工法によるものだった。
















