県建設業協会飯田支部(木下勝貴支部長)は9日、管内の県現地機関と意見交換会を開催した。予算確保、資材価格の適正な設計単価への反映などを要望したほか、小規模補修工事の労務単価について、休日の割り増しを基準額全体に適用することも求めた。
会合には支部から役員15人、県からは飯田建設事務所の折井克壽所長、下伊那南部建設事務所の大島則雄所長をはじめ、建設事務所や南アルプス地域振興局、松川ダム管理事務所の幹部職員など16人が出席した。
冒頭、木下支部長は「自然災害が頻発・激甚化している。平時から社会資本をしっかりと整備・維持していく重要性をあらためて認識するとともに、地域建設業の『地域の守り手』としての役割がますます重要になっていくと考えている。地域の建設業を将来にわたり維持していくためには、発注者と受注者がそれぞれの立場から率直に意見を出し合い、現場の課題を共有し、一つ一つ改善していくことが大切。本日は双方の理解を深め、より良い施工環境につながる有意義な会になれば」とあいさつ。
これを受けて飯田建の折井所長は「県の建設行政の推進に多大な尽力をいただいていることに感謝申し上げる。当地域はリニア中央新幹線や三遠南信自動車道という大きなプロジェクトがあり、早期の効果発現に向けて集中的に関連工事を発注している。さまざまな課題について受発注者が互いの立場で問題意識を共有することが重要だと考えており、きょうの意見交換を実りあるものにしたい」と応じた。
議事は支部からの意見や要望に県が回答する形で進められた。入札・契約の議論では支部が「小規模補修工事の休日等における労務単価の取り扱い」について提起。「現在は基準額のうち『割増対象賃金比』に該当する部分のみ休日割り増しを行っているが、基準額全体に適用してほしい」と要望。
これに対し県は「法定休日のみならず土曜、祝日、年末年始等も作業員を確保するなど、皆さまが大きな負担を抱えながら地域の安全・安心の確保に尽力いただいていることは十分認識しており、休日労働に要する費用が適切に反映されるべきとの意見は、貴重な提案と受け止めている。一方で、県における工事積算は国土交通省の基準等に基づき実施しており、現時点で県独自の算定方法を採用することは難しい。ただし、今後の制度運用に関する検討や情報提供の参考にする」と回答した。
また、舗装工事を対象とした総合評価落札方式(工事成績等簡易Ⅱ型)の評価項目のうち「直営施工」について、「飯田下伊那地域では専門的な知識や高度な施工技術を有する舗装専門業者が地域内の工事を担っている。舗装工事に必要な施工体制や技術力は、必ずしも元請けが自社でアスファルトフィニッシャーを保有し、自社社員が運転することだけで判断できるものではない」とし、採用を控えるよう要望。これに対し県は「年間の発注件数や工事の規模などを踏まえ、評価項目を選定していく」と述べるにとどめた。
施工管理に関する議論では、支部が「ICT活用工事において、点群データや3次元出来形管理データにより所定の精度が確保されているにも関わらず、確認のため現地でテープ等を使用した追加計測を求められる場合がある」「複数年にまたがる工事において、『前年度の設計変更の内容が次年度の発注図面や設計資料に反映されていない』『監督員の異動の際、これまでの経緯が十分に引き継がれていない』などの事例があり、受発注者双方の負担増になっている」といった問題点を挙げ、改善を求めた。
さらに「協議の対応の遅れの背景には、監督職員の担当する工事件数の増加があるのではないか」との声も上がった。これに対し県は「飯田建設事務所では本年度、試験的に発注設計書の数量計算等の業務を用地コンサルへ外注したり、河川や保安林の法手続きをコンサルに協力してもらうなど、業務改善の取り組みを実施している」と伝え、「これにより生まれた時間を、ワンデーレスポンスの対応や専門的な知識の習得につなげられれば」と話した。
















