井林辰憲国土交通相と建設4団体の意見交換会が28日、国土交通省内で開かれた。2027年度予算の概算要求、建設業の賃金引上げ、働き方改革と生産性向上の3テーマについて意見を交わした。国交省からは井林国交相、塩見英之事務次官、廣瀬昌由技監らが参加。建設業団体からは日本建設業連合会(日建連)の蓮輪賢治副会長、全国建設業協会(全建)の今井雅則会長、全国中小建設業協会(全中建)の河﨑茂会長、建設産業専門団体連合会(建専連)の岩田正吾会長らが出席した。
井林国交相は冒頭、豪雨災害や令和8年熊本地震への建設業の支援に謝意を示した上で、日本成長戦略や地域未来戦略に触れ「成長投資を強力に進めていくには、それを支える建設業の役割が極めて重要。国交省を挙げて取り組みたい」と強調。「建設業が魅力的な産業となり、国民生活や社会経済を支える重要な役割を担い続けられるよう、一体となって取り組んでいきたい」と呼び掛けた。
27年度予算概算要求では、公共事業関係費7兆6761億円を要求。「強く豊かな日本投資枠」として、第一次国土強靱化実施中期計画に基づく取り組みや、労務費・資材価格の高騰を考慮した公共事業に必要な経費を事項要求していることを説明した。
26年度の公共事業は、繰越分を含めほぼ全額を執行し、不用率も1%程度と説明。適切な価格と工期で発注されれば、公共・民間を問わず十分な施工余力があるとの認識を示し、公共事業関係費の増加などで民間工事に影響を及ぼす「クラウディングアウト」との指摘については「当たらない」とした。
賃上げでは、公共工事設計労務単価の14年連続引き上げなどで「賃金は着実に上昇しているが、全産業平均にはいまだ届かない」と説明。国交省と建設業団体で申し合わせた「おおむね6%の賃金上昇」を目指して取り組む。
働き方改革と生産性向上では、完全週休2日の実現に向け、地域や現場の実情、多様な働き方のニーズを踏まえて取り組む方針を説明。猛暑対策サポートパッケージや、9月に公表したインフラ分野のAI実装方針も紹介した。
◎予算と事業量を要望
日建連は、公共事業関係費の当初予算が10数年にわたり約6兆円で横ばいとなり、資材価格や労務費の上昇で実質的に目減りしていると指摘。持続的な経済成長やインフラ老朽化対策、国土強靱化を進めるため、25年度補正予算と26年度当初予算の合計額を上回る十分な予算の確保を求めた。
全建は、資材価格や人件費の上昇で実質建設投資額や発注件数が減少しているとして、26年度当初予算と25年度補正予算の合計額に物価高騰分などを加えた規模を最低限確保するとともに、「強く豊かな日本投資枠」の活用を要望した。
全中建は施工時期の平準化を要望。市町村発注では第2四半期以降の発注でも年度末工期となり、十分な工期を確保できないケースがあると指摘した。適切な時期に発注されれば施工余力は十分にあるとして、平準化のさらなる推進を求めた。
建専連は、専門工事業にとって「優秀な職人を育成することが最大の生産性向上」と強調。新規入職者の減少や現場OJTの限界、安値受注などを背景に企業内教育が難しくなっていると説明した。賃金水準の見える化や、若者、外国人材にも分かりやすいキャリアパスの形成を進める考えを示し、国の支援を求めた。


















