さいたま県土整備事務所(水谷信哉所長)と県建設業協会さいたま支部(島田賢一支部長)による意見交換会が1日、さいたま県土整備事務所別棟2階会議室で開催された。当日の議題は発注から施工までの間の情報共有に関するものと「施工条件の変化による受注者負担の適正化」の2点。
冒頭、水谷所長は日頃の社会資本整備や維持点検、また8月に管内で地震が観測された際の夜間対応などに対して事業者への感謝を伝えた。改めて大規模な自然災害への対策の重要性を強く認識するとともに「建設業界が抱える課題に対する取り組みには皆様の協力が欠かせない。率直な意見をお聞かせいただき、この場を相互理解と更なる連携強化につながる機会としたい」と話した。
島田支部長は「建設業界は担い手確保や資材価格の高騰など様々な課題を抱えているが、地域を支える業界として県土整備事務所の皆様と連携しながらその役目を果たしてまいりたい。本日は現場の実情や課題について率直に意見交換し、今後のより良い連携につなげたい」と語った。
最初の議題は「着工してから分かる」を減らすための、発注段階での情報共有に関するものとなった。建設業協会側が、公告が出た時点で支障物の移設、地下埋設物、関連工事や関係機関協議などの情報をどこまで共有できるか、また設計と現場に乖離が生じた際の対応などを県側に尋ねた格好だ。
県土整備側の回答によると、設計と現場の乖離については県の「工事設計変更ガイドライン」に基づいて対応することになる。協会側が挙げた事例もガイドラインにおいて設計図書で明示する方針が示されており、改めてこの方針に基づくよう所内に周知する考えだ。
県側の担当者は、設計図書の元となる、設計コンサルからの成果品の品質確保も重要と話した。
県土整備部では、2025年度から「土木設計委託条件明示ガイドライン」が施行されている。設計段階で確実に現場条件などをコンサルに伝えて、設計の品質向上を目指す要項となる。
予備設計から詳細設計に移行する際にも現場の条件が適切に共有されているか確認する項目があり、発注時の条件設定に活用しているという。
そのほか、協会側は働き方改革を踏まえた適正な工期設定に関する県側の方針を聞いた。県側は「土木工事における適正な工期設定の考え方」に基づき、猛暑日などを考慮した工期設定を行っていると回答している。
発注時期平準化の進捗についても質問があり、県側は「複数年の債務負担やゼロ債務などを活用し、第一四半期の契約率を高めている。県全体の平準化率は目標の90%を達成している」とした。
二つ目の議題は「施工条件が大きく変化した時の受注者負担をどう適正化するか」。
工事中止には至らないが、施工不能や工程変更などで受注者側に負担が発生する場合がある。県側(発注者)の責めで工期延長する場合、その設計金額を変更することとなる。協会側は「設計変更で対応できる範囲はないか」と質問したが、基本的にはスライド条項で対応する方向のため、直接的に設計変更で対応するのは難しいという。
また県側は熱中症対策について、休日の算定で猛暑日を考慮するほか、空調服やミストファンなどの費用負担ができるようにしていると話す。余裕期間を設定して、酷暑日を避けて施工可能な制度を導入することで受注者負担軽減を図っていると伝えた。中東情勢に伴う資材の調達に当たっても、別途で経費が必要な場合は対応するとした。
当日はそのほか、県側がJCIP建設業許可・経営事項審査電子申請システムの積極的な導入を要望。また、1日から施行された週休2日工事に係る事務取扱要領に関する説明が行われている。
















