国土交通省は7日、2026年度の公共事業評価手法研究委員会を開き、公共事業の評価手法の改善に向けた議論を開始した。政府の方針や同省が打ち出したインフラマネジメントへの転換方針など、防災・減災や老朽化対策などを踏まえ検討を深める。研究委員会では▽総合評価手法の改善▽社会的割引率の見直し▽事業評価制度―の3点を中心に議論。全3回開催し冬ごろにとりまとめる。
4月の経済財政諮問会議で民間議員から公共事業評価の仕組みについて指摘があったことなどを踏まえたもの。7月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太方針2026)」では、公共事業評価について、費用便益比に過度に依拠せず、国家戦略、防災・減災、国土強靱化、地域の命と暮らしを守る基盤機能などを踏まえた総合評価へ見直すとともに、近年の金利状況を踏まえて社会的割引率を見直す方針を盛り込んでいる。
松本健技術審議官はあいさつで「公共事業の必要性や、実施がもたらす多様な効果を適切に評価できるよう、不断に検討を重ねていく必要がある」とした上で「維持管理も含めたインフラマネジメントへの転換の重要性が指摘されている。改めて、事業評価のあり方について議論・検討を進めたい」と呼び掛けた。
総合評価手法については、事業の目的や地域で果たす役割を明確化した上で、事業によってどのような効果を実現するのかを整理し、費用便益分析や事業実施による影響の評価を経て総合評価に至る一連のプロセスの体系化を検討する。社会資本が地域や国の価値、魅力、競争力の向上など幅広い効果をもたらすことを踏まえ、多様な効果を適切に反映できる評価手法を議論する。
社会的割引率は、費用便益分析で将来発生する便益や費用を現在価値に換算する際に用いる。現行の割引率は04年の設定以降、見直されていない。今後、EIRR(経済的内部収益率)やB/Cなどの評価指標の取り扱い、10年国債の実質利回りなど参考とする指標や考え方を検討。社会情勢の変化に応じた定期的な見直しのあり方についても議論する。
事業評価制度については、インフラの新設から既存施設の維持管理・機能向上を重視するインフラマネジメントへの転換を踏まえ、既存施設の機能改善を行う事業の評価プロセスのあり方を検討する。
















