国土交通省は、下水道の整備と基盤強化に関する基本方針案をとりまとめた。下水道の安全性確保を最優先に、施設の重要度やリスクに応じた対策、事業運営の見える化、財源の確保を基本的な考え方に位置付けた。都道府県を中心とした広域連携や官民連携を進め、執行体制と運営基盤を強化することで、強靱で持続可能な下水道の実現を目指す。
7月に公布された改正下水道法で、国が下水道の整備と基盤強化に関する基本方針を定めるとされたことを受けたもの。19日に開いた上下水道政策の基本的なあり方を検討する有識者会議に方針案を示した。
方針案では、国や都道府県、下水道管理者、民間事業者、住民の役割を明確化し、施設の点検・診断、汚水処理施設の最適化、人材確保・育成、広域連携、財源確保などの取り組みの方向性を盛り込んでいる。
施設の点検・診断では、損傷した場合の社会的影響が大きい重要管路の点検を強化し、安全性を診断する。一方、損傷リスクや社会的影響が小さい管路は巡視と簡易的な点検を組み合わせるなど、リスクに応じた対策を進める。汚水処理施設についても、大規模な下水処理場と浄化槽による個別処理などを組み合わせ、施設配置の最適化を図る。
執行体制の強化に向けては、複数自治体による事業運営の一体化など、広域連携を推進する。国は広域連携に必要な規模の目安を示すほか、技術的・財政的な支援、資機材の規格・仕様の統一、データ共有の円滑化などを進める。都道府県は「広域連携推進計画」を策定して自治体間の連携を調整する。都道府県協議会を組織して下水道管理者との協力体制を構築し、単独での基盤強化が難しい自治体も含めた広域連携を進める。
人材確保・育成では「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」の考え方を踏まえ、広域連携や分野横断的な連携、官民連携による人材の共有を推進する。技術やノウハウの継承を通じ、地域での持続的な人材育成につなげる。
事業運営では、使用料や国庫補助金、一般会計繰入金、企業債などを組み合わせ、必要な財源を確保する。改築・耐震化・維持管理の状況や広域連携、官民連携の検討状況などを住民に公表し、使用料の必要性について理解を求める。
会議では、上下水道政策の基本的なあり方に関する第3次とりまとめ案の論点についても議論した。2050年を見据えた人口減少や施設の老朽化、災害の激甚化などを踏まえ、メリハリのある上下水道マネジメントへの転換や事業運営の一体化、質の高い官民連携など論点に内容をとりまとめる。
















