記事

事業者
農林水産省

機場復旧に全力/来年の営農再開目指す/武部農水相 県内視察

2026/10/27 日刊建設タイムズ

 武部新・農林水産大臣は25日、令和8年台風第25号による千葉県内の被災地4か所を視察するとともに、成田市役所で熊谷俊人知事などと意見交換を行った。視察および意見交換の後、記者会見に応じた武部大臣は、視察について総括した上で「意見交換では、来年から営農を再開できるよう農業用地、農業施設を早急に復旧してほしいとの声が寄せられた。また、林野も含め、技術的、人的支援についての要望をいただいた」と説明。農林水産省において、特に農業水利機能の確保に向け、排水・揚水機場の復旧に全力を挙げるとした。

 視察箇所は、敷地の裏手で山腹崩壊が生じた長南町立長南中学校(長南町長南2060)および、浸水被害に見舞われた印旛沼漁業協同組合(成田市北須賀1622―2)、船形干拓の農地など(成田市八代10付近)、白山甚兵衛機場(成田市大竹6)。

 船形干拓の農地周辺では、強い雨が降ったため、車内から現地状況を確認した。そのほか各箇所で、県職員や関係者などから被災状況、対応状況について説明を受けた。その後、成田市役所に移動し、熊谷知事、関係市町の首長、千葉県選出国会議員などと意見を交わした。

 武部大臣は意見交換の冒頭、「厳しい状況の中にあって、力を合わせなければ乗り越えられないこともあると思う。皆さま方から意見をいただき、現場に即した政策を立てていきたい」と述べた。

 熊谷知事は、武部氏が大臣就任後、早期に視察に訪れたことに謝意を表した上で「復旧、被災者支援にあたっては国の皆さま方の支援が不可欠。力を貸してほしい」と要請し、「県としても、国、市町としっかりと連携し、農業、水産業に関わる方々に、これからも力強く一次産業を支えていただけるよう頑張っていきたい」と見据えた。

 台風による県内の農林水産業の被害額は約274億円に上る。このうち、農地・農業用施設などは被害額約197億円(水路の破損、農道路肩の崩落、畦畔の崩壊、ため池堤体の崩落、ポンプの水没など)、林地・林業用施設などの被害額は約35億円(林地の土砂崩れ、林道路肩の崩壊、治山施設法面の崩落など)となっている。

 長南中学校では、校舎・体育館裏にある保安林で斜面の表層が崩壊し、斜面下部にある学校敷地内に土砂が流入した。崩落規模は幅約20~30m、高さ約20mとみられる。今後、長南町が流入した土砂を撤去する。県は、現地調査や測量を実施し、仮設防護柵の設置などの安全対策を講じながら、法枠工などによる災害復旧を進める。

 印旛沼漁業協同組合は、養殖場、ボイラー室、加工場、発電設備などが浸水。養殖しているウナギのほぼ全量が流出した。今後は、電源施設・ボイラーなどの取り替え、養殖池の排泥・清掃、井戸ポンプの修理などが必要となる。浸水位は、養殖場床から1・42mとみられる。

 白山甚兵衛機場は、約21億円を投じて建設され、2016年3月に完成。管理者は県。用水供給先は、成田市、栄町の975haの水田。最大取水量3・3m3/s、ポンプ口径φ700mm×3台。台風による印旛沼の堤防決壊および内水氾濫により、ポンプ室と電気室が浸水した。浸水位はY.P.4・46m。

長南中学校から崩壊した斜面を視察 印旛沼漁業協同組合倉庫で被災状況について説明を受けた 白山甚兵衛機場の建屋内部を視察 意見交換の様子 記者会見後に手を取り合う武部農水相(右)と熊谷知事 記者会見に応じる武部大臣 記者会見で発現する熊谷知事

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら