記事

事業者
国土交通省

【建築分野】ストック型社会へ転換/中長期ビジョン素案を提示

2026/10/27 本社配信

 国土交通省は、2050年を見据えた建築分野の将来像と今後10年間の取り組みの方向性を示す「建築分野の中長期的なビジョン」の素案をまとめた。建物の新築を中心とした社会から、既存建物の価値を維持・向上させながら長く使い続ける「ストック型社会」への本格転換を目指す。建物の新築・取得から利用、改修、継承、解体までのライフサイクル全体を通じて価値を見極め、適切に活用する社会の実現を図る。

 26日に開いた社会資本整備審議会建築分科会と建築基準制度部会の合同会議で提示した。素案では、目指す将来像として、新築と既存の建物を共に選択肢とする「建物をつかいこなす社会」を掲げた。建物の状態や利用目的に応じて、改修や継承などを含めた適切な活用を促す。

 建物の価値については、耐震性や耐火性、快適性などの性能を示す「モノ」に加え、居住者や利用者などの「ヒト」、維持管理や運営、情報、保険などの「コト」を組み合わせて高める考え方を打ち出した。特に既存建物では、構造や設備上の制約を踏まえ、安全性を確保しつつ、維持管理や利用方法の工夫、専門家の関与などによって活用の選択肢を広げる。

 また、個々の建物だけでなく、市街地全体の価値向上も重視する。住民や行政、事業者などが地域の将来像を共有し、建物の維持・改善や市街地の再編を進める。

 建築分野の担い手については、設計・施工を担う「つくる人」、居住者などの「つかう人」、維持管理や金融、流通などを担う「支える人」の役割の拡大と融合を促す。BIMやAI、ロボットなどを活用し、建物情報の蓄積・流通や生産性向上、新たな価値の創出につなげる。

 国交省は今後、素案をもとに議論を進め、年内にビジョン案を整理する。パブリックコメントを経て、27年2月22日の答申を目指す。

中長期ビジョンの素案を提示した

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら